NTNは、高効率な翼技術を活用した「小形風車(10kW)」について、一年を通じて風況が良い静岡県磐田市にある「いわたエコパーク」において実証試験を開始した。
同小形風車は、独自形状の垂直翼を採用することで、高い静粛性と高効率な発電が可能。厚みをもたせた翼形状によって、強風下でも風切り音がほとんど発生せず、また、垂直翼の採用により、どの方向から風を受けても回転する。翼の先端に設けたウィングレットによって、回転の抵抗となる渦乱流を防ぎ、エネルギーロスを最小限に抑える。
今回の実証試験では、同小形風車の運転制御に関するデータを採取する。風速に対する回転数の制御条件や、ブレーキ制御条件の最適化、さらに長期間の連続運転による構成部材の耐久性などのデータを採取し、得られた結果を活用することで信頼性の向上につなげていく。
NTNは、中期経営計画「NTN 100」で掲げた基本方針の「攻める経営」において、「新たな領域における事業展開」を重要施策の一つとし、これまでベアリング関連で培った技術やノウハウを活用した自然エネルギー事業に取り組んでいる。昨年7月から、太陽光と風の二つの自然エネルギーを利用した「ハイブリッド街路灯」を販売しているほか、既存の用水路の壁面に置くだけで発電できる「NTNマイクロ水車」の販売開始を予定している。
同社では、自然エネルギーを活用した商品の開発を通じて、省エネルギーに貢献し、“なめらかな社会”の実現に貢献していく。