日本精工は、微小な対象物を操作するための「マニピュレーションシステム」の操作性を改良した。開発品には、軸受など機械要素製品やメカトロ製品の開発を通じて培った精密位置決め駆動技術に、画像処理などの技術を組み合わせた統合的なメカトロ技術が用いられた。9月7日~9日に千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示場で開催された「分析展・科学機器展(JASIS2016)」に出展された。
マニピュレーションシステム
同社の開発した応答性の良い精密な電動マニピュレーションシステムは、実験動物の卵細胞への顕微授精など微細な作業をジョイスティック操作で可能にしたもの。2014年に実験動物中央研究所との共同研究によって実用化された。
二つのジョイスティックの間にあるロータリーノブの回転によりマイクロポンプを微細操作
JASIS展で披露された開発品はロータリー式ポンプインターフェースを追加、操作性を改良。ロータリーノブの回転操作量に比例したマイクロポンプの動作により、直感的で繊細な極微量インジェクションを実現する。
さらに、神奈川県産業技術センターの支援を得て操作部のデザインを改良。バイオなど非機械系の研究者に親しみやすい外観とするとともに、ジョイスティック操作を安定させ使いやすさを向上した。
今回の改良により、細胞・微小物のピックアップ、微量液塗布など、分析の前処理、後処理用途へと、適用の幅が広がった。