日本精工は、転走面に表面改質技術を採用することで摩耗を低減し機械のメンテナンスサイクルを延長できる「高精度・長寿命ボールねじ」を開発した。開発品は、位置決め精度要求の厳しい機械に適しており、中でも極めて高い位置決め精度が求められる金型加工マシニングセンタや放電加工機などに最適。
新技術を採用したサンプル品の提供を2019年1月より開始、2020年春からの製品リリースを予定している。サンプル品は11月1日~11月6日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2018 第29回日本国際工作機械見本市」で展示される。
近年、工作機械や半導体製造装置市場では機械の高機能化が進んでおり、送り駆動機構には高速化・高精度化・高剛性化等による加工能力や、生産性の安定・向上やメンテナンスフリー化に対応する省力化が強く求められている。こうした要求に対して同社では、ボールねじの転走面の改質に着目、技術開発を進めてきた。開発品の特長は以下のとおり。
1.ボールねじの転走面に世界で初めて表面改質技術を採用することにより、油膜形成能力を飛躍的に向上。油膜が形成されにくい低速・揺動・小ストロークでの検証運転では、現行品に対して予圧残存率で3倍の摩耗抑制効果を発揮した。油膜形成能力の向上によって、溝と鋼球同士の接触による摩耗の抑制も実現、位置決め精度寿命の長期化につながる。
2.位置決め精度の長寿命化により、機械のメンテナンスサイクルが延長される。