ジェイテクトは、特殊環境用軸受「EXSEV®シリーズ」として、光学フィルム製造装置など化学溶液中での使用において耐食性が従来品の3倍となる長寿命軸受「コロガードプロベアリング®-ZO」を開発した。
同社国分工場および徳島工場ですでに量産を開始しており、国内外のフィルム製造装置メーカーや、半導体製造装置メーカー、医薬・食品製造機械メーカーなどへの提案を進め、2000万円/年の売上を目指す。
化学溶液中など特殊環境下で使用される軸受は、軸受自体の腐食が早いという問題があり、生産性向上やランニングコスト低減のニーズからは、耐食性が高く、トラブル時の耐衝撃性に優れた軸受の開発が急務とされていた。
こうした課題に対し同社では、特殊環境用軸受「EXSEV®シリーズ」の一つで耐食性と耐荷重性を両立する「コロガードプロベアリング」の素材を、これまでのステンレス鋼から、セラミックスの中でも特に耐食性の高いジルコニアに変えることで、従来は1~2ヵ月程度で交換が必要だった軸受の寿命が、6ヵ月以上に延長されることを実証した。
開発品では、化学溶液の性質を検証し、窒化ケイ素よりも優れた耐食性を持つことが認められたジルコニアを採用することにより、軸受寿命を従来比3倍に高めている。
また、セラミックスの中でも高い靭性を備えたジルコニアを採用することで軸受の耐衝撃性が向上したため、フィルム破断などの装置トラブルが発生した場合でも、破損することなく継続して使用できる。