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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発

 ジェイテクトは、医療用X線画像診断装置の一般撮影用装置に使われるX線管軸受ユニットについて、従来よりも低騒音・低トルク化を実現した製品を開発、2022年をめどに四国工場(徳島)で量産を開始する。 開発品の適用により、国内外の医療現場で患者や医療関係者のストレスの低減、作業性の向上に貢献していく。X線管球メーカーへの提案を進め、5000万円/年の売上を目指す。

 

ジェイテクト 低騒音・低トルク化を実現したX線管軸受ユニット
低騒音・低トルク化を実現したX線管軸受ユニット

 

 X線管は、医療用X線画像診断装置においてX線を発生させるために必要となる部品の一つ。その中にX線管軸受ユニットが使用されており、X線管の中で高速回転している。X線画像診断装置においてはいかに静かに稼働させるかが課題で、静粛性が向上することで患者や医療関係者のストレス低減につながる。一方、バッテリー駆動の回診用(移動用)X線画像診断装置においては、省電力であることに加え、作業性向上のニーズがある。

 これらのニーズに対し、X線管軸受ユニットにおいては低騒音であることに加え、回転トルクが小さいことが重要となるが、これは従来設計の軸受では対応できない領域だった。

 ジェイテクトでは1995年よりX線管軸受ユニットを開発・製造しており、CT市場をはじめ、多くの医療現場での実績を積み重ねてきた。今回こうした経験をもとに、一般撮影用装置の一層の低騒音化とバッテリー駆動の装置の省電力化に貢献すべく、低騒音で低トルクのX線管軸受ユニットを開発した。

 開発品では、X線管軸受ユニット全体の大きさは変えずに軸受の内部設計を見直したほか、潤滑膜の成分・膜厚を見直した。これらの見直しにより、低振動(軸受の騒音の代替特性として用いた)と同時に低トルクを実現している。

 

ジェイテクト サンプル品での実験結果
サンプル品での実験結果