ジェイテクトは、電気自動車(EV車)の駆動ユニットのモータ用として使用されるグリース潤滑玉軸受において、世界トップクラスとなるdmn(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))185万以上の高速回転を実現した。同社亀山工場・四国工場、グループ会社のダイベアなどで製造する。モータの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費の向上と航続距離の延長に貢献していく。
近年急速な勢いで普及しているEV車は環境への負荷が低いことから、今後ますます厳しさを増す燃費規制をクリアする技術として注目されており、電力の高効率化や信頼性の向上のため、更なる技術の開発が求められている。
中でも、自動車の燃費・電費の向上に直結するモータの小型・高出力化が進んでおり、モータを支持する軸受には一層の高速回転性能が要求されていることから、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題となっている。
同社では、こうした時代のニーズに応えるため、一層の高速回転性と信頼性を追求し、高速回転時の保持器に作用する遠心力による応力緩和や各部寸法設計の適正化を図ることによってdmn185万以上を実現したもの。
今後EVモータの小型・高出力化はますます加速し、高速回転性能だけでなく高温環境下での高速回転性能が求められると予想されるが、同社では今後の市場への対応を見据えてさらなる開発に取り組んでいく考えだ。