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SEMICON Japan 2024

 

SEMICON Japan 2021 Hybridが開催

 SEMIは2021年12月15日~17日に東京都江東区の東京ビッグサイトで、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会のリアル展示に加えてバーチャル展示も併設した「SEMICON Japan 2021 Hybrid」を開催した。「次代のコアになる。」をテーマに、IoT機器、自動車、工場自動化、医療、家電など、あらゆる産業のキーデバイスである半導体関連技術のほか、電気自動車や空飛ぶクルマなど半導体のアプリケーション展示もなされた。9ヵ国から約452社・団体が1358小間の規模で出展、26626名が来場した。

セミコンジャパン 開催のようす:東京エレクトロンのブース bmt ベアリング&モーション・テック
開催のようす:東京エレクトロンのブース


 半導体製造装置においては「微細化の進展」と、微細化によらず集積度を向上できる「3D NANDフラッシュメモリーの高度化」が進展する中で、ベアリング・モーション機器関連では、半導体製造装置を高精度・高速に稼働させつつコンタミネーションの発生を抑え、また長期稼働の信頼性を支える各種の製品技術が紹介された。

 木村洋行は、宇宙機器で多くの実績を持ち、同じく真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている「ケイドン超薄型ボールベアリング」を展示した。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-8~10-12Torrレベルの高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現している。また、半導体製造装置の回転機構の小型・軽量・簡素化が図れる省スペース設計によって、半導体製造プロセスにおいてはウェハ搬送ロボットからウェハ研磨装置、フォトリソグラフィー装置、検査装置など、前工程から後工程まで広範な装置に適用されていることをアピールした。

セミコンジャパン 木村洋行 ケイドン超薄型ボールベアリング bmt ベアリング&モーション・テック
木村洋行 「ケイドン超薄型ボールベアリング」


 THKは、軸受に求められる機能と非磁性を高次元で両立する直動案内「LMガイド」、ボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリングといった「高機能非磁性製品」を紹介した。磁気をほとんど帯びず、かつ軸受に適した硬度を持つ特殊合金「THK-NM1」を使用することで、比透磁率が1.005未満という高水準の非磁性を実現、強磁場を発生させる核磁気共鳴画像装置(MRI scanner)や電荷を帯びた粒子を扱う電子線描画装置などでの使用に最適。また、特殊熱処理技術により、軸受に適した硬度が得られることで、従来のオーステナイト非磁性鋼と比べて大幅に優れた耐荷重性能を発揮、従来よりも小型形番を選定できるため装置全体のダウンサイジングに貢献できる。さらに、軸受として適度な弾性を有するため、予圧を付与できることから、すき間なく滑らかな動きが可能となり、高精度な動作を実現する。

セミコンジャパン THK 「高機能非磁性製品」 bmt ベアリング&モーション・テック
THK 「高機能非磁性製品」

 

 日本トムソンは、ウォームギア機構を採用した無限回転ステージ「SK…W」を紹介した。回転案内部にクロスローラベアリングを組込み、テーブル上面の振れ量5μm以下と高剛性を実現するほか、クロスローラベアリングを直接テーブルとすることで低断面化が図れる。また、リニアモータテーブル「LTシリーズ 高推力仕様2」を披露した。リニアモータテーブルLTは、可動テーブルとベッドの間にACリニアサーボモータを組み込み、光学式リニアエンコーダを内蔵したコンパクトな高精度な位置決めテーブル。軽量な可動テーブルと大きな推力で、高加減速、高応答な動作を可能にしているが、高推力仕様2は、既存の高推力仕様1と比べ、約 17%の定格推力アップを実現。コンパクトながら最大推力390Nを実現し、重量物でも精密な位置決めが可能。高加減速、高応答な位置決めを実現し、タクトタイムの短縮に貢献する。

セミコンジャパン 日本トムソン 無限回転ステージ「SK…W」とリニアモータテーブル「LTシリーズ 高推力仕様2」 bmt ベアリング&モーション・テック
日本トムソン 「SK…W」と「LTシリーズ 高推力仕様2」

 

 日本ベアリングは、精密ローラーを使用した非循環方式の直線運動軸受「NBスライドウェイNV形」を展示した。精密研削加工された軌道台とスタッドローラーを内蔵したRリテーナー(樹脂製)で構成。軌道台はスタッドローラーが滑らかに動くように最適設計が施され、Rリテーナーのスタッドローラーにより軌道台と転動体のスリップがなく、昇降やタクトの速い動作に適している。ローラーとそれを案内する軌道体とにスリップ防止機能を持たせ、作動中におけるローラースリップの防止を実現。ブースではNV形を使ったルーレットゲームによるデモンストレーションが実施された。また、コンパクトタイプのボールねじスプライン「SPBR-KP形/SPBF-KP形」を展示。いずれも1軸で「位置決め」「直線運動」「回転運動」が行え、これらの運動を組合わせることでスパイラル運動やスカラ形ロボット、組立機、ローダーなど様々な機械に使用できる。

セミコンジャパン 日本ベアリング「NBスライドウェイNV形」 bmt ベアリング&モーション・テック
日本ベアリング 「NBスライドウェイNV形」


 ハイウィンは、自社製DD(ダイレクトドライブ)モーターやクロスローラベアリングを搭載し、12インチ(300mm)ウェハまで対応できる高剛性で高性能なウェハ搬送ロボット「RWシリーズ」を展示した。高価なDDモーターをはじめACサーボモーター、ボールねじ、リニアガイドウェイといった主要コンポーネンツが自社製のため、ハードウェアとソフトウェアを統合し高品質でリーズナブルな価格を実現している。また、同社ではウェハ搬送ロボットなど各種ロボット・自動化システムの導入におけるPoC(概念検証)から実際の導入、運用におけるティーチング、メンテナンスまでを支援する「ロボット技術センター」を東京都府中市に開設しているが、ロボット技術センターの出張ラボをブース内に設け、ワークを持ち込んでもらっての自動化に向けた無料相談・検証などを実施した。

セミコンジャパン ハイウィン 「ロボット技術センターの出張ラボ」 bmt ベアリング&モーション・テック
ハイウィン 「ロボット技術センターの出張ラボ」