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SEMICON Japan 2024

 

THK、製造業向けIoTサービスに、回転部品向けAI診断サービスを追加

 THKは本年3月から、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」(https://www.thk.com/omniedge/jp)の回転部品向けソリューションに続く、新たなAI診断サービス(ADV)の提供を開始した。AIがポンプやモータ、ファン、ギヤボックスといった回転部品の異常や故障を推定、推奨メンテナンス内容までを提示する。

THK OMNIedge 回転部品向けAI診断サービス(ADV)の構成図 bmt ベアリング&モーション・テック
回転部品向けAI診断サービス(ADV)の構成図


 工場のプロセスオートメーションに欠かせないモータ、ポンプ、ファンなどの回転部品のメンテナンスは、工場1拠点だけでも膨大な量に及び、保守保全には日々の定期巡回が伴う。また、異常を検知するセンサは、しきい値の設定が各回転部品によって異なり、さらに膨大な数の各種パラメータの設定に担当者が追われることで、結局は適切なしきい値設定には至らないまま運用するのが現状となっている。そこでTHKでは、回転部品の状態がヘルススコアから分かるAI診断サービス(ADV)を回転部品向けソリューションに追加したもの。

 ADVにはヘルススコアを算出するアルゴリズムが採用されており、ユーザーがこれまで苦労してきたしきい値設定が一切不要となり、代わりにADVで振動・温度のデータからヘルススコアを算出して回転部品の状態を判断できる。ADVが故障モードの推定と故障モードに合致した推奨メンテナンス内容を簡単・手軽に保全担当者へ提供することで、膨大な量に及ぶ回転部品の保全活動を劇的に変化させる。他にも、メンテナンス前後のデータ変化の相関をレポートに作成して、提示することが可能となる。

 従来のリモート監視機能とADVを併行することで、巡回工数の軽減、最適なメンテナンス時期の見極めと実施、メンテナンスレポート作成工数の削減といった相乗効果が期待できる。

 THKでは、「センサ提供だけにとどまらずAIを使った様々なサービスを手掛けることで、顧客とのエンゲージメントをより強固なものへと高めていく。さらに、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の最大化に貢献するIoTソリューションを提供していく」としている。