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SEMICON Japan 2024

 

イグス、高耐久の樹脂ワイヤーセンサーを備えたケーブル保護管用の破損検知システムを開発

 イグスは、ケーブル保護管「エナジーチェーン」用の破損検知システム「i.Sense EC.B」向けに、測定距離の延長を図り極めて高い耐候性と堅牢性を持つ新しい樹脂ワイヤーセンサーを開発した。従来二つのセンサーを要した本体長35m以上のエナジーチェーンの状態監視を、一つのセンサーで対応。大型クレーンなど過酷で長ストロークの屋外用途でも安全なケーブルガイドを確保できる。リアルタイムの状態データを走行部全体で収集し、予期せぬ機械停止やコストを回避する。

イグス エナジーチェーン i.Sense EC.B 樹脂ワイヤーセンサー

 

 同社は、エナジーチェーンの状態監視を目的に長いストロークでも破損の兆候を即座に検知できる i.Sense EC.Bシステムを提供している。従来は35m以上では移動端と固定端両側に2セットのセンサーの設置が必要だったが、今回、新しい樹脂ワイヤーセンサーの採用により移動端に一つのセンサーを設置するだけで、本体長35m以上のエナジーチェーンの状態監視が可能となった。これによりイニシャルコストの低減とよりロングストロークでの検知精度が向上した。

 破損を検知するとセンサーが即座にエラー通知を発し、それを受けて制御盤モジュールはシステムPLCにI/O信号を送る。新しい i.Sense制御盤モジュールには、最大で2セットのEC.Bセンサーを接続可能のため、エナジーチェーン走行軸が2軸対向設置の場合もモジュールは1式で運用可能となっている。これらをPLCのデジタル入出力ポートに接続すれば、システムの迅速なシャットダウンのトリガーとしても使用できる。新しい樹脂ワイヤーセンサーは、既存のEC.Bシステムおよび i.Senseモジュールと互換性があり、IoTコンセプトにも組み込むことができる。

 i.Senseシステムは、自動車産業のガントリーローダーなど、多くの産業ですでにその性能が実証されている。イグスではこれまでの実績をもとに、インダストリー4.0で増大する機械や監視システムへの要求に対応。移動距離の延長に伴い動作が高速化するクレーンシステムでは、堅牢で耐久性のあるエネルギー供給システムが非常に重要で、過酷な環境下で負荷の高いケーブルを安全にガイドするには走行部全体でのリアルタイム状態データの収集が大きなメリットとなる。

 新しい樹脂ワイヤーセンサーは測定距離を延長できるほか、極めて高い耐候性と堅牢性を有するため、屋外用途に最適。完全自動化のクレーンシステムでは、現場で問題に気づくオペレーターが不在のため、予期せぬ機械停止の影響を大きく受けるが、信頼性の高いi.Sense EC.B状態監視システムを導入すれば、故障のない安全な動作を確保できる。

 また、i.Sense EC.Bにより最適なメンテナンスのタイミングが明確になり、交換部品・作業人件費・機械停止時間の削減にともなうメンテナンスコスト低減が期待できる。