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SEMICON Japan 2024

 

NTN、同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受を開発

 NTNは、電気自動車(EV)などの駆動源として使用される同軸e-Axle向けに、大径サイズで標準品比2倍以上となるdmn値(軸受ピッチ円径(mm)×回転速度(min-1))150万の高速回転性能と標準品比50%以上の低トルク化を実現するとともに、耐電食性も兼ね備えた大径深溝玉軸受を開発した。dmn値150 万の高速回転性能と低トルク性により、同軸e-Axleの一層の小型・軽量化、高効率化と、EVの航続距離の延長に貢献する。

 同社ではEV用同軸e-Axle のモータ向けに本軸受の提案を進め、2027年度に20億円/年の販売を目指す。

NTN 同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受 bmt ベアリング&モーション・テック
同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受

 

NTN 同軸e-Axleにおける大径深溝玉軸受の適用部位 bmt ベアリング&モーション・テック
同軸e-Axleにおける大径深溝玉軸受の適用部位

 

 近年、EVの航続距離の延長を目的に、小型・軽量な駆動源として同軸e-Axleが注目を集めている。同軸e-Axleはモータと遊星歯車減速機から構成され、減速機の出力軸がモータ軸の内径を貫通する構造のため、使用されるモータ支持用軸受は平行軸e-Axleに使用されるものと比べて、軸受内径が50~90mmの大径サイズとなる。

 EVのさらなる航続距離の延長に向け、同軸e-Axleはより一層の小型・軽量化と高効率化が進むことが予想されるが、その実現のため同軸e-Axle用の大径サイズの軸受にはモータの高出力化への対応や低トルク化、電食(モータからの漏洩電流でスパークが発生し、軌道面が溶融しはく離などの損傷につながる現象)への対応が求められる。

 こうした課題を解決すべく開発した同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受の特長は、以下のとおり。

・高速回転性能:使用する転動体(ボール)の個数および保持器のポケット数を削減することで、高速回転時に保持器にかかる遠心力を低減することに成功。また、保持器について、形状を工夫したほか必要な強度に合わせた最適な材質を採用することで、高速回転時の遠心力による保持器の変形を最小化。これらにより、軸受内径50~90mmの大径サイズの軸受において標準品比2倍以上となるdmn値150万を実現した

・低トルク性:使用するボール個数を削減することで、標準品比で50%以上の低トルク化を実現

・耐電食性:絶縁体であるセラミック製のボールを使用することで、電食の発生を防止

NTN 同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受の構造 bmt ベアリング&モーション・テック
同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受の構造

 

NTN 同軸e-Axle向け大径深溝玉軸受 標準品との比較 bmt ベアリング&モーション・テック
標準品との比較