「2024国際航空宇宙展」(主催:日本航空宇宙工業会/東京ビッグサイト)が10月16日~19日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。
同展は、国内外の主要企業、政府機関、大使館関係者、業界関係者が集結する、日本最大級の航空・宇宙の総合展示会。航空・宇宙・防衛の製造、運航、整備に加え、UAM・脱炭素などの新分野を加えた、幅広い業種の企業が出展、航空・宇宙関連の最先端の製品を披露した。
ベアリング&モーション技術(bmt)関連では、以下のような展示がなされた。
木村洋行は、同社が国内総代理店を務めるRegal RexnordやGGB(Timkenグループ)など各社の航空機向けベアリングなどを紹介した。動翼用ベアリングでは、Regal Rexnordのコンケーブ(鼓型)ローラー自動調心ベアリングを展示。ローラー形状による自動調心性によるミスアライメントの吸収のほか、低摩耗で高負荷に耐える。また、ランディングギヤ向けなどでの低コストで容易なメンテナンスを可能にするため、外輪と内輪を別々に製造し、ボールのみの交換が可能なRegal Rexnordのスロットエントリーベアリングも紹介した。固定翼・回転翼・宇宙用途の主要なベアリングを製造するRBC の製品では、-196~+325℃まで運用可能な自己潤滑ライナー付きスフェリカルベアリングなどを展示。Timken/GGB製品では、大手ホイール/ブレーキメーカーとの協力のもと国内外の多数の機体に採用されているランディングギヤ専用テーパーローラーベアリングを紹介した。
ジェイテクトは、ドローンなどエアモビリティの電源の瞬間停電補償や、出力サポートに貢献するソリューションとして、電池製造設備をはじめとするジェイテクトグループのコンピタンスを応用した高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy®」を出展した。Libuddy®は、世界で初めて-40~85℃の動作温度範囲を実現するなど幅広い温度帯で使用でき、冷却ユニットの省略によるエアモビリティの小型化・軽量化に貢献することが期待されている。また、水素の活用と燃料製造のテーマでは、液体水素を扱う機械装置や燃料製造工程の耐久性向上に貢献するソリューションとして、耐水素脆化性材料技術を応用した水素環境向け軸受「EXSEV-H₂®」を出展した。さらに、軸受の熱処理後の組織の状態を取得した画像をもとにAIを用いて自動判定するシステムを紹介した。
THKは、アルミ合金製のスライドレール「E15-NA」に、ギャレー用コンテナを取り出すための部品を装着した軽量・コンパクトなスライドユニット「E15 S-NA」を紹介した。手で取り出すのが困難な位置にあるギャレー用コンテナを、手動で取り出すことに特化、ハンドルを引くことで、コンテナを手元に滑らかに移動させることができる。特長は、①簡単な取り付け:本製品には、アルミ薄板のベースプレートが標準で装着されているため、このベースプレートを用いて、取り付ける相手の取り付け面にそのまま取り付けることが可能、②高信頼性:スライダ後方には信頼性の高いばねが設置されているため、引き出したハンドルから手を離すと、ばねの働きによってスライダとともにハンドルが自動的に元の位置に戻る。ハンドルが元の位置に戻る際には、スライダと締結された2本のワイヤによって、裏返ることなく、正確に収納される、③コンパクト・軽量:小さなすきまの箇所にも取り付け可能なほか、小型のスライドレールを採用することで、スライダの耐久性を維持しつつ軽量化を達成、など。