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「EMOハノーバー2025」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ

 International Linkage ドイツメッセ日本代表部(https://intl-linkage.co.jp/dm)(代表:竹生学史氏)は2月19日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で、本年9月22日~26日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界を代表する工作機械の国際展示会「EMO Hannover 2025(EMOハノーバー2025)」に関するプレスカンファレンス「EMO Hannover 2025 World Tour」を開催した。主催者のドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツメッセの各担当者が同展の見どころなどについて紹介し、日本企業の出展と日本からの来場を求めた。

 当日はまず、以下2件の基調講演が行われた。

・「ものづくり業界のために開催される生産技術の国際展示会EMOハノーバー2025」マルクス・へーリング氏(ドイツ工作機械工業会(VDW)エグゼクティブ ダイレクター)…世界有数の生産技術の専門展示会である「EMOハノーバー2025」が「Innovate Manufacturing」をテーマに、金属加工のバリューチェーン全体の製品・技術を紹介するとともに、革新性、国際性、インスピレーション、金属加工の未来を示すショーケースであり、金属加工業界のメーカーとユーザーなど国際的な業界関係者が対話できるプラットフォームで、1975年に設立され今年で50周年を迎えることを説明。この半世紀の間にスマートフォンなどのデバイスを含む技術革新に金属加工技術が大きく寄与してきており、今回の「Innovate Manufacturing」のテーマのとおり、EMOが提供する膨大なアイデアと新しいアイデア、新技術を積極的に活用することを呼びかけた。続いて、世界経済の状況について、中国経済の減速などもあり2024年度は設備投資がグローバルで低下、特に欧州で激減したが、2025年度からは回復に向かうとした。日本は極めて大きな工作機械サプライヤーで輸出も多く、工作機械の市場が拡大する中国は日本の工作機械メーカーにとって大きな市場であるとともにサプライヤーにもなりつつあるとした。さらに、EMOハノーバー2025のフォーカス・トピックスとして、①工具のパレットチェンジャーやワークのハンドリングシステムを含む工作機械あるいは金属加工工程の「自動化」、②新しい工作機械への投資によるエネルギー節減やカーボンフットプリント削減といった「サステナビリティ」、③人工知能(AI)との組み合わせによる生産性向上など工作機械ユーザーのメリット拡大につながる「デジタル化」を掲げた。

・「EMO2025へ訪問すべき理由」ハートヴィヒ・フォン・ザース氏(ドイツメッセ ヘッドオブニュービジネス)…EMOは来場者とパートナーであり出展者であるメーカーをつなぎ、最新の製品・技術、金属加工業界の現状を間近で見ることができる専門見本市。来場者は新しい技術に出会える場であり、国や産業の枠を超えてビジネスを創出しつつパーソナルリレーションシップを構築できる場でもある。ウェブサイトで事前にチェックし訪問リストに加えた展示ブースからの製品・技術情報だけではなく、歩いていて思いがけず新しいソリューション、自らのプロジェクトに活用できるかもしれないソリューションに出会える可能性を秘めている。EMOはつまり、オンラインでは得られない「セレンディピティ」がある。開催地となるハノーバーは産業見本市の中心地であり、海外からの交通の便も良い場所。工作機械の多数の技術革新、最新の製品・技術が披露されるEMO、出展者と来場者をダイレクトにつなぐEMOに是非とも来場してほしいと総括した。

 続いて、日本工業大学工業技術博物館 館長の清水伸二氏をモデレーターに、4人のパネリストによるパネルディスカッションが以下のとおり行われた。

 ドイツ工作機械工業会(VDW)エグゼクティブ ダイレクターのマルクス・へーリング氏は、同展示会を「ものづくり業界のために開催される生産技術の国際展示会」として、工作機械の自動化やサステナビリティ、デジタル化についての展示をメインになると話した。また、期待している点としては積層造形やスタートアップ、工作機械業界に若者を引き寄せるための基礎であるとした。引き続き、ドイツメッセ ヘッドオブニュービジネスのハートヴィヒ・フォン・ザース氏が、昨今はコミュニケーションのほとんどがオンラインでなされているとして、本展示会はリアルで見てもらうことで自社のブランドを示すことができるとした。また、本展示会とオンラインとの連携も有効である点を述べた。また、リアルの見本市であるからこそ価値あるものを予想しなかったところで見つけられると述べた。

 また、出展社の立場としてオークマ 取締役 常務執行役員の山本武司氏、ヤマザキマザック 執行役員 欧州副総支配人の山崎 拓氏が参加した。山本氏は「弊社はEMOには第1回から毎回出展させていただいている。出展理由としては、メーカーである私共としては、お客様のその先のお客様のニーズを知ることによって、私共のお客様が何をしなければならないかを理解してソリューションを提供することができること。もう一つが工作機械のメッカである欧州で弊社のブランドを知っていただくことだ。さらに、昔のことにはなるが世界各国から代理店のお申し出をいただけることが挙げられる。工作機械は欧州が先頭を走っている部分もあるため、EMOは最新の技術やマーケットのトレンドを知ることができる場である。会社としても将来への投資に対する羅針盤のような役割を果たしているのではないかと思う」と述べた。山崎氏は「山本様が仰ったことにすべて同意する。重複する内容は割愛して、その上で二点を追加させていただく。一つ目はEMOという一週間のイベントで弊社の欧州中のスタッフが一堂に会することで結束して士気を高めることができる貴重なイベントである。もう一つは、国際的な展示会は世界中に数多く存在しているが、EMOの特徴は地元のドイツ企業に多少アドバンテージがあるものの、EMOほどフェアな競争ができている展示会はないのではないかと思う。世界各国のメーカーが分け隔てなく出展している展示会のため、我々出展社としても来場者にとっても工作機械のトレンドを知ることができるため、今後の戦略を立てていく上でも大変重要な展示会であると感じている」と述べた。

左から山本武司氏、清水伸二氏、マルクス・へーリング氏、山崎 拓氏、ハートヴィヒ・フォン・ザース氏
左から山本武司氏、清水伸二氏、マルクス・へーリング氏、山崎 拓氏、ハートヴィヒ・フォン・ザース氏

 EMOハノーバー 2025では日本企業の出展ならびに来場の募集を行っているので、関心のある方は以下まで問い合わせをいただきたい。
International Linkage ドイツメッセ日本代表部 竹生学史(たけお・まさひと)氏
TEL:080-1396-9902または03-6403-5817
E-mail:masahito.takeo@intl-linkage.co.jp