THKは、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge(オムニエッジ)」の「部品予兆検知AIソリューション」の診断対象を追加し、すでにサービスを展開しているLMガイド、ボールねじ、アクチュエータに続いて、製造現場で広く利用されているスピンドル(主軸)への対応を開始する。ラインナップ拡充でメンテナンス業務の効率化を加速していく。

部品予兆検知AIソリューションは、設備に実装されているLMガイドやボールねじ、アクチュエータといった直動部品にセンサを後付けすることで、従来は五感で判断していた部品の状態を見える化し、部品の異常を捉えて担当者に通知するサービス。これまで、工作機械やプレス機、搬送機などの幅広い設備向けに導入され、保全業務の脱属人化やオーバーメンテナンスの回避、突発的な設備故障によるドカ停発生防止に寄与してきた。
今回、部品予兆検知AIソリューションの診断対象として新たにスピンドル(主軸)が追加された。スピンドルはマシニングセンタや旋盤などの工作機械に広く採用されているが、他の部品と比べて高価で大型なため、在庫を持たないケースが多くある。また、一部の加工機で生産負荷が集中することも要因となり、スピンドルが突発的に故障すると生産ラインが長時間停止してしまうといった問題が発生していた。今回の追加により、スピンドルを診断して破損状態を見える化することで、予期せぬ停止のリスクを最小限に抑えられるようになる。
THKではOMNIedgeについて、今後も既存ソリューションの機能強化を図り、ユーザーに最適なソリューションを提供することで、OEE最大化に貢献していく、としている。
スピンドルを診断対象に加えた部品予兆検知AIソリューションの特長は以下のとおり。
・センサ後付け可能でスピンドルの状態を見える化:独自技術「THK SENSING SYSTEM」を搭載したセンサを、すでに稼働している機械のスピンドル本体に後付け可能。設備の年式・メーカーなど対応機種に縛られず、スピンドルの状態を数値化する
・デジタルとアナログの融合:AI診断サービス「ADV」を活用することで、AIが異常度スコアを自動算出するためのしきい値設定が不要。加えて、THKのデータサイエンティストがデータを分析してメンテナンスレポートを作成・提出するため、導入後も安心して運用できる
・ワンパッケージでの提供:センサやAIコントローラなどのハードウェアや通信環境、ソフトウェアまでワンパッケージで提供。ユーザーによる選定が不要ですぐに始められまる