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日本工作機械工業会、2026年の工作機械受注総額1兆7000億円見込む

 日本工作機械工業会(日工会)は1月8日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った坂元繁友会長(芝浦機械社長)は、「昨年を振り返るとロシアとウクライナの戦闘をはじめ世界各地で依然として地政学的リスクがあった。また、通商面ではいわゆるトランプ関税や米国通商拡大法232条など米国は矢継ぎ早に通商政策を打ち出し、その対応に追われるなど世界情勢は混とんとした中で、不透明・不確実な状況が続いた一年だった。このような局面にあって社会においてはDX、GXの活用が進展している。製造業ではこれらに関連する設備投資が進められた結果、2025年の工作機械受注額は、年初見通しの1兆6000億円をわずかながら下回る見込みだが、高水準を達成できたと考えている。2026年を展望すると、年明け早々に米国がベネズエラを軍事攻撃しマドゥロ大統領を拘束するなど、本年も世界情勢は不安定・不確実な状況が想定され、各国による通商上の措置や外交上の対立等が設備投資に及ぼす影響が懸念されている。しかしながら、自動化、効率化、環境対応といった工作機械の事業をけん引している背景は本年も継続するものと思われる。加えて、第7次エネルギー基本計画で指摘された長年活用されている工作機械をはじめとする生産設備の省エネ性能の相対的劣化に対する官民一体となった取り組み、また総合経済対策で示された戦略分野の危機管理投資、成長投資といった施策は、稲葉善治前会長(ファナック会長)から引き継いだビンテージ問題の解決につながるもので、国内老朽設備の更新に寄与していくものと見込まれる。以上の状況を総合的に判断し、2026年の工作機械受注額は総額で1兆7000億円になるものと見通した」と述べた。

 2026年の日工会の事業については、デジタル、グリーン、レジリエンスを柱に、「工作機械産業ビジョン2030」で示された内容について、委員会活動を中心として、活動を前進させていく。その一環として日本の製造業の国際競争力を強化していく観点から、老朽機の更新を促し生産性を向上させる税制や補助金の創設を強く働きかけていく。デジタルツールを活用した生産加工における情報伝達の規格化やEPA利用促進、アジアの新興市場や米国における工作機械需要産業の動向、さらにカーボンニュートラル実現に向けた省エネ活動、これらの調査・研究事業を推進して、会員各社に共通する共有領域の進化・拡大を進めていく。

 また、工作機械ビジネスは技術、輸出管理、経済保障など、あらゆる面で高度化・複雑化している。情勢の変化に対応していくために、最新情報の入手・分析を進め、適切に適宜対処していく。

 工作機械業界の技術者、輸出担当者、サービス員等の人員育成や、学生や社会一般に対する工作機械産業の周知活動も進めていく。

 2026年は工作機械業界の最大のイベントである「JIMTOF2026(第33回日本国際工作機械見本市)」を10月26日~31日の6日間開催する。JIMTOF2026では「果てなき高度へ 羽ばたく技術」をコンセプトに、製造業のポテンシャルを最大限に引き出す最先端の工作機械技術・製品を世界に向けて発信する。開催場所の東京ビッグサイト東4~6ホールが大規模修繕工事で使用できないものの、周辺設備も活用して来場者の密集・混雑を解消した会場運営に努めていく。JIMTOFでは国内外の技術者が集う「工作機械技術会議」を開催するほか、製造業全体の未来を担う学生を対象に全国から招致し、「工作機械トップセミナー」を開催する。また、多彩な講演会や最新トレンドを俯瞰できる企画や学生向けの規格など、盛りだくさんの併催行事を用意する予定だ。

 高市早苗内閣においては、与党税制改正大綱では、国内投資を喚起して成長を後押しすべく、設備投資の規模や収益性の条件を満たせば、投資額の7%を法人税から控除するか、即時償却できる投資促進税制が打ち出された。坂元繁友会長は壇上、政府関係当局に対し、国内の設備投資を喚起して老朽設備の更新を促進させるため、政策面での支援を依頼した。

 

日工会 挨拶する坂元繁友会長 bmt ベアリング&モーション・テック
挨拶する坂元繁友会長