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SEMICON Japan 2024

 

ダイベア、超高精度軸受の量産を開始

 ダイベアは、ジェイテクトと共同で、超高精度軸受「PRECILENCE®(プレシレンス)」を開発し、4月からダイベア和泉分工場(超高精度軸受専用工場)で量産を開始した。4月から呼び番号7005C〜7010Cの即納販売を開始、順次サイズを拡充していく。精密加工機メーカー、半導体製造装置メーカー、宇宙機器産業、精密測定器メーカーなどに販売を展開し、2025年に20億円の売上を目指す。

超高精度軸受「PRECILENCE」
超高精度軸受「PRECILENCE」

 

 工作機械の高精度スピンドル用軸受には、精度と入手性の良さから、ドイツDIN規格の精度等級「P4S」が現在広く使用されている。

 しかし、近年、工作機械精度の高度化に対応できる製品への需要の高まりを受け、ジェイテクトグループでは、精度や寿命、静粛性などにおいて、従来品(一般市販流通P4S製品)を上回る軸受の開発に取り組み、ダイベア和泉分工場において、DIN規格「P4S」と同等以上の軸受と、「最高精度」の回転性を実現する「P2」軸受「PRECILENCE」の製造に成功したもの。

DIN 620とJIS1514の等級比較
DIN 620とJIS1514の等級比較

 

 PRECILENCEはPRECISION(精度)とSILENCE(静粛)を一つにした、超高精度軸受のブランド名で、今後シリーズで展開していく計画だ。

 開発品(P2軸受)では、軸受の五つの基本性能「精度よく回る」、「静かに回る」、「速く回る」、「軽く回る」、「長く回る」を以下のとおり高い次元で実現している。

①精度よく回る(精度):軸受構成各部品の精度を完成品性能にこだわり全面的に見直すことで、回転精度は従来品の約1/4

②静かに回る(静粛性):転がり表面の粗さを非常に滑らかに仕上げ、さらに玉と保持器のダイナミックス性能に改良を加えることで、揺れと振動の抑制を実現し、振動値は従来品の約1/2

③速く回る(高速性):軌道輪に新たに強靭な高窒素ステンレス鋼を採用することで、軸受鋼品と比較し最高回転速度が約30%向上

④軽く回る(低トルク):転がり運動の阻害要因を大幅に取り除き、回転トルクは従来品の約30%低減

⑤長く回る(長寿命):高速回転に有利とされる小さい玉径をあえて使用せず、大きな玉径のセラミックスを採用することで、寿命は従来品の約2倍

基本5性能の比較
基本5性能の比較

 

 スピンドル組付時の性能は以下のとおり。

①組付性と回転精度向上を実現:軸受の回転精度が非常に高いため、ラジアル振れ最大位置の位相調整が不要で、スピンドルの振れ精度の調整もほとんど必要なく軸の振れ量は≦1μmを達成

②高速回転時の軸振れ量削減:30,000min-1回転時に従来品を組み付けたスピンドルと比較し、軸の振れ量は1/2を達成

③回転速度向上:従来品と比較し、最高回転速度が35%向上