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SEMICON Japan 2024

 

THK、製造業向けIoTサービスの予兆検知対象にボールねじを追加

 THKは、本年1月に直動案内(同社商品名:LMガイド)の予兆検知を対象に販売を開始した製造業向けIoTサービス「OMNIedge」(オムニエッジ)の第二弾として、ボールねじの予兆検知サービスを開始した。さらに、2021年1月には第三弾として回転部品の予兆検知サービスを開始する目的で、30社を対象とした無償トライアルを実施する。

THK OMNIedge

 

 OMNIedgeは、2019年に輸送部品や電子部品、半導体、オプトエレクトロニクス、食品、医療、材料系(ガラス、プラスチック、ゴム)、鉄道、工作機械など、様々な業界の企業51社による無償トライアルを経て、本年1月に第一弾としてLMガイドに対応するサービスの正式販売を開始した。

 OMNIedgeは、LMガイドなどの機械要素部品にセンサを取り付け、収集したデータを数値化、状態を可視化する独自技術「THK SENSING SYSTEM」を活用し、独自のアルゴリズムによって収集したデータを、安全な通信網を介して数値化、解析することで状態診断、予兆検知を実現するシステム。センサ、アンプ、通信機器一式を通信費込で提供するパッケージ型サービスで、「簡単」「安全」「初期コストゼロ」を実現した。

OMNIedgeイメージ図
OMNIedgeイメージ図

 

 今回第二弾として、LMガイドとセットで使用されることが多く予兆検知のニーズが高かったボールねじを予兆検知サービスのラインナップに加えた。利用料金は1装置あたり月額8000円~(2年契約)。

 「THK SENSING SYSTEM」によりボールねじの異音、異常振動を数値化して検知。部品の状態を数値化する「OMNIedge」を用いることで、従来、現場作業員の経験と感覚による確認・判断に頼っていた装置の保全作業に計画性を持たせることが可能となる。これにより、作業員の経験やスキルに左右されることなく保全作業を効率化でき、予備在庫の管理コスト削減が図れるほか、保全の形態をこれまでの時間管理から状態管理に移行させることで部品交換時期を適正化し、設備稼働率を高め、現場の生産効率を全体として向上させることができる。

 また、国内の製造業では、製造設備の保全作業に際し熟練工の感覚に頼らざるを得ない場面がある一方、熟練工の高齢化や人手不足により技能継承が難しくなってきているが、THKはこの課題を解決すべく、装置の保全作業の一端を担うOMNIedgeをパッケージ化。ハードルが高いとされてきた製造業におけるIoTをリーズナブルな価格で簡単に導入できる仕組みを取り入れている。

 THKでは今後、「OMNIedge」の適用範囲を回転部品やアクチュエータなどにも拡げる予定で、機械要素部品の予兆検知を基盤とした装置全体の健康管理へと進展させていく考えで、回転部品に対応したサービスの本格展開に先立ち11月16日から、トライアル導入を希望する企業30社に対して無償トライアルを実施する。対象部品はポンプ、モータ、コンベア、ファンなどの回転部品。使用するセンサは無線振動センサ(バッテリ内蔵タイプ、電源供給タイプの2種類を準備)で、収集できるデータは振動、温度、音。無償トライアルは、申込みフォームから応募できる。