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SEMICON Japan 2024

 

THK、単純作業の自動化に最適な円筒座標型モジュールの受注を開始

 THKは、人手で行っているワーク投入をはじめとする単純作業の自動化に最適な円筒座標型モジュール 「MLS」の受注を開始する。省力化が必要な半自動機の“後付け自動化”を実現する。

THK 円筒座標型モジュールMLS bmt ベアリング&モーション・テック
円筒座標型モジュールMLS

 

 円筒座標型モジュール MLSは、伸縮/昇降/旋回の単純機構を組み合わせたボルトオンタイプ(追加の加工や部品製作を伴わずにボルト締めだけで連結できる機構)のモジュール型ロボット。

 各モジュールは独立構造で取り回しに優れ、既存設備への後付け設置が可能なため、人手に頼っていた単純作業の自動化を簡単・迅速に行える実現できる。従来の多関節ロボットと比べて、MLSは設置スペースに制限のある場所やクレーン作業を伴う大掛かりな据付工事ができない場所など、これまで様々な理由から導入に踏み切れなかったケースに対し、柔軟に対応できる。

 既存設備の自動化ニーズは、製造業の働き手不足も相まって高まりを見せている。その一方で、コストを抑えながら限られた作業スペースの中で人手による単純作業をいかにして手軽に自動化へシフトさせるかといったことが、自動化の豊富な実績を持つ自動車・電機業界だけでなく、食品や物流などの業界でも課題となっている。

 また近年は、人手不足の影響もあり、作業者一人で加工機・検査装置などの半自動機を複数台掛け持ちすることも珍しくなく、既存設備の自動化はもちろんのこと、短時間・低コストで省力化設備を導入したいというユーザーの声も多数寄せられていた。

 これに対しTHKでは、人の手を介さずに単純作業の自動化を最大限に図るべく、円筒座標型モジュールMLSを開発したもの。可動部の基本構造は伸縮/昇降/旋回の三つの単純機構を組み合わせたシンプルなものに特化。これにより制御方法も非常にシンプルで、専用のプログラム言語を学習することなく普段から使い慣れているPLCで操作が可能となっている。加えて、時間のかかるティーチングの工数も削減できる。

 同社では独自の新製品開発を通して、あらゆる分野の自動化、省力化需要に対応し、生産性向上、工程改善のためのソリューションを提案していく考えだ。

 円筒座標型モジュールMLSの特徴は以下のとおり。

・シンプル機構で広い可動領域 広い作業領域が確保でき、可動領域に筐体が残らない

・簡単制御 普段使い慣れた一般的なPLCで操作が可能なほか、ドライバーは 主要なFAネットワークに対応し、ティーチング工数も少なく、何より専門のプログラム言語の学習が不要

・早期導入、早期復旧 配線ケーブルやチューブ等をモジュール化したことで取り回し性が高く、構造の簡略化/省配線化に優れる。そのため、短時間で導入から稼働までが実現できるほか、保守・ メンテナンスも効率的に行える