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東京理科大学・佐々木研究室、第33回トライボサロンを開催

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第33回目が7月19日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

第33回トライボサロン 林優美さん bmt ベアリング&モーション・テック
開催のようす


 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室のメンバーに限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。

 第33回目となる今回のトライボサロンでは、住友重機械工業で東京理科大学博士後期課程3年の林 優美氏が、「減速機用潤滑剤の潤滑メカニズム解明に向けた評価技術に関する研究」と題して、同社内で実施してきた減速機用グリースのプロセス技術開発と応用について、潤滑剤の自社開発技術の構築、潤滑界面の現象解明などを実施してきたことを紹介。

 ものづくり現場での自動化要求から適用が進む協働ロボット向けなどで、同社の手掛ける減速機において、ギヤ、軸受、シールなどのしゅう動部品を保護するための長寿命潤滑グリースの最適処方を探るべく、原子間力顕微鏡(AFM)その場観察を用いたトライボフィルム膜の形成状態の観察や、トライボロジー試験機SRV5摩擦試験後の電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)を用いた元素分布状態、X線光電子分光装置(XPS)を用いた元素化学状態、透過電子顕微鏡(TEM)を用いた断面観察などの手法を駆使して潤滑メカニズムの解明に取り組み、現在はカルシウムスルフォネートグリースの最適処方を模索していることなどが紹介された。産業界に身を置く立場から、学術的価値のある研究を確立し実用に反映させたい、と総括した。

 トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://www.tribo-concierge.com/topics/296/