ジェイテクトは、産機・軸受事業で培ったコアコンピタンスを生かし、成長性のある半導体産業に向けて、各工程で使用されるドライブポンプ用ベアリングの中国生産に着手した。現地生産による中国国内のドライポンプメーカーへの納入を進めることで、価格や運搬に関するムダを取り除き、ユーザーに貢献していく。
産機・軸受事業においては、半導体産業を戦略市場と位置付け、既存製品の拡販と新規製品の開発により、国内外の半導体製造に携わるお客様への貢献を進めている。
本製品は半導体製造における露光、エッチング、薄膜形成、電極形成などの工程において、真空環境をつくるドライポンプに使用されるベアリングで、一般的な半導体生産ラインでは数千台規模のドライポンプが使用され、一台当たり4個程度のベアリングが使用される。同社では、この製品の現地供給を通じて半導体産業に貢献していく。
ジェイテクトはこれまで培った技術を生かし、ベアリングの高精度加工によって多様な産業のニーズに応えてきた。半導体産業におけるドライポンプには低騒音・低振動化が強く求められており、これに応えるとともに、真空下の劣悪な潤滑環境においても長時間ベアリングを使用できるように、セラミックボールの採用によりポンプの信頼性向上に貢献してきた。
ジェイテクトではこれまで、ドライポンプ用ベアリングを徳島工場とグループ会社のジェイテクトプレシジョンベアリングで生産しており、国内外のドライポンプメーカーに納入していた。今後、中国市場における半導体生産の成長に貢献するため、中国の現地法人である捷太格特軸承(無錫)(JTEKT BEARINGS (WUXI))での生産を2026年1月に開始する。

ジェイテクトはこれらの高度な技術を現地生産に適用し、中国国内のドライポンプメーカーへの迅速な供給が可能となる。これにより、納期の短縮と価格競争力の向上に貢献し、現地顧客の期待に応える体制を整えた。
ジェイテクトは今後も、グローバルな製造・供給ネットワークの強化を通じて、より高品質で信頼性の高い製品を提供し、真空技術分野の発展に寄与していく。世界中のあらゆる産業を支えるベアリングを重要なソリューションと位置づけ、今後も自社が持つコンピタンスの掛け合わせにより技術を磨き、ユーザーにソリューションを提供していく。自動車、建設機械、鉄鋼、工作機械、半導体など社会の基盤となる産業にソリューションプロバイダーとして貢献していく考えだ。