NTN( http://www.ntn.co.jp/japan/ )は、自動車の低燃費化やCO2排出量削減に貢献するため、回転トルクを最大80%低減した、トランスミッション用「自己形成シール付低トルク玉軸受」を開発した。
同品は、内輪とシールの間に微小なすきまを自己形成する新開発のシールを採用した。内輪と接触しているシール先端部が、運転初期に摩耗することで微小なすきまを形成するため、機械加工や射出成形では製造できない非接触タイプのシール。また、微小なすきまを運転初期に安定して形成するよう、シールのゴム材料組成を改良するとともに、シール先端部と内輪の接触状態を従来のアキシアル接触構造からラジアル接触構造へ変更した。これらの開発により、軸受寿命低下の原因となる異物の軸受内侵入を防止しながら、従来の接触タイプと比べて最大80%の回転トルク低減を実現し、5倍の通油性による十分な軸受潤滑も確保した。
自動車のトランスミッション用軸受には、異物の侵入による軸受寿命の低下を防ぐため、接触シール付の密封型玉軸受が採用される場合がある。しかし、シールを付けない開放型玉軸受に比べて回転トルクが大きく、通油性も劣るという課題があったという。