オリエンタルモーターは、10月から11月にかけてプライベート展示会「モーターフェア2016」を6都市で開催、11月22日には東京・秋葉原で開催した。
同フェアは、同社のモーターやアクチュエータ製品に触れてFA のヒントを感じてもらうことを目的に、ユーザーの近くの都市で開催しているプライベート展示会で、上期に続いて「Growing your motion」をテーマに開催された。
会場では各種の新製品をはじめ、大型のデモンストレーション機器を用意して視覚に訴え、よりわかりやすく製品を紹介した。
装置のコストダウンや省エネ、設計時間の短縮などに貢献する主な展示製品は以下のとおり。
- 一定速モーター:三相高効率インダクションモーター「KⅡSシリーズ」…インバータ駆動に最適な省エネ・高効率の三相モーターで、防塵・防水の保護等級IP66の薄型端子箱を搭載したほか、さびにくいステンレスシャフトを搭載。今回は、食品機械や包装機械での適用をイメージした水のかかる環境でのデモ機によって、それらの機能を示した。
水のかかる環境でのデモ機- スピードコントロールモーター:ブラシレスモーター「BMU シリーズ」…指1本のダイヤル回転操作で、1rpm単位で増速、減速を設定できる。80~4000rpmの広く速度範囲や低速から高速まで安定した速度制御などの特徴を持つブラシレスモーターで、高許容トルク、高強度のギヤヘッドを新たにラインナップ。直交軸中空ハイポイドギヤタイプではコンベアに沿って取り付けできるため省スペースになることや、同心軸のため、取付方向の自由度が上がることなどを示した。また、ダイヤルで簡単に速度制御できることをアピールした。
直交軸中空ハイポイドギヤタイプのコンベアへの適用事例- ステッピングモーター:バッテリレスアブソリュートセンサ搭載のステッピングモーター「α STEP AZ シリーズ」…新開発の機械式回転アブソリュートセンサ「ABZO(アブゾ)センサ」によってバッテリ、外部センサが不要。1rpm以下の超低速でも滑らかに駆動できるほか、停電時でも絶対位置検出できるといった利点を活かし、バックラッシゼロ・高剛性・コンパクト・軽量のハーモニックドライブギヤを組み合わせた6軸アームロボットを展示。これまでサーボモーターが多用されてきた多軸ロボットでの優位性を示した。
6軸アームロボットへのステッピングモーターの提案- 電動アクチュエータ:コンパクトリニアアクチュエータ「DRS2 シリーズ αSTEP AZ シリーズ搭載」…ステッピングモーターとボールねじを一体化し、直線動作を実現。モーターにABZOセンサを搭載し、省スペース・省配線に貢献する。電動スライダ・電動シリンダ複合デモ機として展示した。
電動スライダ・電動シリンダ複合デモ機- ファン&サーマルマネジメント:AC 電源入力低消費電力プロペラファン「EMU シリーズ」…ブラシレスモーターの使用と、軸受やグリースの工夫などによって消費電力を約68%ダウン。期待寿命6万時間(約6年)を実現する。実際に稼働させ、従来品との消費電力の違いを示した。
低消費電力プロペラファン(右):従来品(左)との消費電力の違いを提示
同フェアではまた、技術セミナーを併設、これからモーターの選定に関わる層に向けて、モーターの基礎や効果的な使い方を習得できるプログラムを設けた。