日本粉末冶金工業会(JPMA)は1月10日、東京都港区のインターコンチネンタル東京ベイで、「平成30年 新年賀詞交歓会」を開催した。
挨拶する菊池会長
当日はまず菊池 勇会長(ポーライト最高顧問)が挨拶に立ち、「粉末冶金の需要の9割を占める自動車では、衝突予防安全技術や電動化・自動運転などの先進技術開発がさらに進化し需要の底上げを担っていくと考えられる。こうした中で粉末冶金業界が発展していくためには、①電動化に伴う従来製品技術の需要低減や樹脂や炭素繊維強化樹脂などとの競争といった時代の変化に対し、高品質・高機能製品を効率よく造っていくための企業同士の横の連携、②粉末冶金ならではのデザインを提案できる人材やIoTとものづくりやサービスの連携を推進できる人材などの育成、③決して手抜きをしない品質・信頼感の維持の三つを基本として、本年も取り組んでいく」と語った。
続いて来賓の挨拶に立った経済産業省 製造産業局 素形材産業室長の岡本繁樹氏は、「素形材産業の各企業が、その世界トップクラスの技術力や生産管理力を活かし、今後の激しい変化や不透明感の中でも「稼ぐ力」を発揮し続けられるよう支援していきたい」と述べた。
さらに、粉体粉末冶金協会 会長の川崎 亮氏は「工業会は製品の品質や生産性向上、さらにはアジア粉末冶金業界のリーダーとして海外機関との連携を図り、協会は常に企業の技術者と協調していくことで、粉末冶金製品を支える両輪として活動しながら、産業界の発展に努めていきたい」と挨拶した。
当日はまた、「平成29年度工業会賞」の表彰式が行われ、以下のとおり表彰された。
新製品賞・材質部門を受賞したダイヤメット「耐高面圧性と耐摩耗性に優れる鉄銅系焼結含油軸受」の表彰のようす
<新製品賞・デザイン部門>
・トヨタ自動車「低コスト焼結ラビニヨキャリアの開発」
・住友電気工業「複雑形状を有する高精度非円形プーリーの開発」
・ダイヤメット「低燃費ATオイルポンプ用スプロケットドライブの開発」
<新製品賞・材質部門>
・ファインシンター「高い耐摩耗性を有する高速車用Fe系焼結合金すり板」
・ダイヤメット「耐高面圧性と耐摩耗性に優れる鉄銅系焼結含油軸受」
<奨励賞>
・住友電気工業「ガソリン直噴機構部品ガイドリフターの開発」
・ダイヤメット「サイジングレス薄肉スプロケットの開発」
また、JPMAでは、環境活動の推進が今後重要な位置づけとなっていくとの観点から、以下の2部門の表彰を実施した。
<CO2排出量削減部門>
・ファインシンター・山科工場
<廃棄物総排出量削減部門>
・ナパック