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SEMICON Japan 2024

 

NTN、超高角高効率固定式等速ジョイントを開発

 NTNは、自動車の前輪用ドライブシャフトとして、高効率で世界最高の最大作動角55°となる固定式等速ジョイント「CFJ-W」を開発した。

最大作動角55°の固定式等速ジョイント「CFJ-W」最大作動角55°の固定式等速ジョイント「CFJ-W」

 自動車の前輪用ドライブシャフトのタイヤ側に使用される固定式等速ジョイントは、操舵に合わせて作動角をとりながら、エンジンやモータの動力をタイヤに伝達する重要な役割を果たす。また、等速ジョイントの最大作動角が大きいほど、車両の操舵角の拡大につながり、車両の最小回転半径(ハンドルを最大限切って旋回した際に、外側のタイヤが通る軌跡の半径)の縮小化に貢献できる。

 同社では2012年から最大作動角50°の高角固定式等速ジョイント「VUJ」の量産を開始し、軽自動車からSUVまで幅広く市場ニーズに対応してきた。

 一方、自動車の多様化が急速に進む中、固定式等速ジョイントにはさまざまな機能が求められており、特に、近年ますます人気が高まっているSUVや4WD車向けにはさらなる最大作動角の拡大と高効率化に対する要望がある。

 開発品は、2012年に発表した「次世代高効率固定式等速ジョイント(CFJ)」をベースに、自動車の前輪用ドライブシャフトに要求される「50°を超える超高作動角」と「高効率」を実現するため、各部品の高強度化と潤滑性の改善を行うとともに、独自の技術であるスフェリカル・クロスグルーブ構造(円弧状の内輪および外輪のボール転動溝を軸方向に互い違いに傾斜させた構造)を採用することで、「世界最高の最大作動角55°」と「従来品(VUJ)比でトルク損失率約50%低減」の両立を実現した。

 同社は、今回開発した「CFJ-W」をグローバルに提案し市場展開することで、自動車の最小回転半径の縮小や低燃費などをはじめとする顧客の要求に貢献していく。