NTNは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のエネルギー効率を向上させる協調回生ブレーキシステム用に「ボールねじ駆動モジュール」を開発し、量産納入を開始した。
EVやHEVは、車両制動時に車両駆動用モータを発電機として作動させることでブレーキ力を発生させ、走行エネルギーを電力に変換(回生)している。このとき、できるだけ多く回生することで航続距離を伸ばすことができる。協調回生ブレーキシステムは、運転者のブレーキペダル操作量やその時の車速などから必要な制動力を算出し、駆動用モータによる回生ブレーキ力と油圧ブレーキ力の配分を決定する。今回開発したモジュールは、減速ギヤとボールねじを介して油圧制御用モータの回転運動を精度良く直線運動に変換することで、油圧ブレーキ力を制御する。これにより、きめ細かな油圧ブレーキ力の制御が可能になり、より多くの走行エネルギーを回生できる。
また、高負荷容量ボールねじ、高負荷容量支持軸受、焼結部材の採用によるコンパクト化を実現。さらに自動車用に量産実績のあるボールねじ技術を適用することで信頼性を高めた。