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SEMICON Japan 2024

 

エムエスシーソフトウェア、マルチフィジックス・混相流機能を強化した新CFDソリューションをリリース

 エムエスシーソフトウェアはこのほど、最新の熱流体解析(CFD)ソリューションとして、グループ企業のソフトウェアクレイドルが開発した構造格子系汎用三次元熱流体解析システム「STREAM」/電子機器筐体、放熱部品の熱解析専用パッケージ「熱設計PAC」、ポリヘドラルメッシュを採用した熱流体解析システム「scFLOW」、解析結果可視化ツール「scPOST」のV2020をリリースした。

 最新バージョンでは、「マルチフィジックス」「混相流」といった機能を強化し、よりリアルなCFDシミュレーションの実現を目指した。

 マルチフィジックス(Multi-Physics)機能の強化ではまず、scFLOW環境において、より詳細な流体騒音の解析が可能になった。scFLOWのプラグイン機能(scFLOW2Actran)により、エムエスシーソフトウェアの音響解析ソフトウェア「Actran」のGUIを介さずに、scFLOWの操作のみで流体騒音解析を実施することが可能になった。これにより効率的に連成解析を進めることで、エンジニアリングタイムの短縮を図れる。

 

流体騒音解析の強化
scFLOW2Actranを用いた解析結果:ドアミラー周囲のノイズ分布

 

 また、V2020ではMSC CoSim Engineを介して、エムエスシーソフトウェアの構造解析ソフト「Nastran」および「Marc」、機構解析ソフト「Adams」といった製品群とより密接に連携するほか、scPOSTでは構造解析、機構解析、音響解析で得られた両方の結果を一つの画面に簡単に表示・操作でき、よりリアルで力強い描画を作成することが可能となっている。

 

エムエスシーソフトウェア製品とのさらなる連携
MSC CoSim Engineを用いたFEMとCFDの連成結果をscPOSTで出力した例

 

 さらに、熱経路を視覚化するHeatPathViewから、1-Dシミュレーションツールにモデルを継承できるようになった。熱問題の検討に留まらず、機構や電気等他の1-Dシミュレーション解析と連携し、包括的に製品の解析モデルを構築することが可能となる。

 

HeatPathViewの機能強化
HeatPathViewから1-D解析を行うまでの流れ

 

 一方、混相流(Multi-Phase)機能の強化では、離散要素法(DEM)とCFDの連成機能がscFLOW V2020に初めて搭載され、また先行して搭載されていたSTREAM においてもV2020でさらに強化された。粒子・流体・固体間熱移動やフィルターの解析をCFD解析の有無に関わらず実行できる。また、MSC CoSim Engineを用いることで、DEM-CFD解析を構造解析や機構解析に接続できる。

 

DEMとCFD連成
DEM-CFD連成によるコンベアと衣類洗濯機の解析