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メカニカル・サーフェス・テック2024年8月号 特集「表面改質の測定・評価」8月26日発行!

2週 5日 ago
メカニカル・サーフェス・テック2024年8月号 特集「表面改質の測定・評価」8月26日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2024年8月号 特集「表面改質の測定・評価」が当社より8月26日に発行される。

 今回の特集「表面改質の測定・評価」では、ナノ粒子ミストデポジション法によるITO薄膜の製造と膜生成過程におけるその場観察について、200mm試料を切り出さずにそのまま評価できるリサーチ用AFMと評価事例について、化粧品メーカーにおけるエイジングケア化粧品の効果と分光測色計による評価・検証について、プラズマCVD法およびアークPVD法により成膜したDLCの各膜構造の違いによる機械的性質(硬度)と静摩擦係数および動摩擦係数に及ぼす影響について、各種の表面課題にソリューションを提供する表面設計コンソーシアムの表面改質の複合技術について紹介する。

特集:表面改質の測定・評価

◇ナノ粒子ミストデポジション法による透明導電性薄膜の大気下でのグリーンな製造・・・東北大学 蟹江 澄志、ニコン中積 誠、鬼頭 義昭、西 康孝、奥井 公太郎、鈴木 涼子

◇200mm試料をそのまま評価できるリサーチ用AFMと評価事例・・・パーク・システムズ・ジャパン 金 鍾得 氏 に聞く

◇エイジングケア化粧品の効果と分光測色計による評価・検証・・・プレミアアンチエイジング 林田 元治 氏、コニカミノルタジャパン 西本 昌弘氏 に聞く

◇DLCコーティングの機械的特性と静・動摩擦係数の低減による産業用途への最適化・・・東研サーモテック 髙橋 顕

◇表面分析・試験により不具合原因を抽出、複合処理で解決する表面設計コンソーシアム・・・編集部

連載

注目技術:TOF-SIMSを用いた、スパッタ二硫化モリブデンコーティング中の水分移動度とトライボロジー特性の検証・・・テキサス大学

第4回 チェコのワイン編: 南モラヴィアの大草原とモラヴィア・ワイン・・・横浜国立大学 梅澤 修

トピックス

日本熱処理技術協会 2024春季講演大会を開催
島貿易、粉体の摩擦特性/強度の試験装置の取り扱いを開始

admin 2024年8月20日 (火曜日)
admin

ナノ科学シンポジウム2024が10月18日に開催

3週 2日 ago
ナノ科学シンポジウム2024が10月18日に開催

 ナノテクノロジーと走査型プローブ顕微鏡(SPM)に特化した「ナノ科学シンポジウム(NanoScientific Symposium Japan 2024 : NSSJ2024)」(https://nanoscientific.org/nss_japan/main)が10月18日10時~17時30分に、東京大学 浅野キャンパス 武田ホール(東京都文京区弥生2-11-16)で開催される。

 主催は東京工業大学 物質理工学院 中嶋・梁研究室と関東学院大学 材料・表面工学研究所、パーク・システムズ・ジャパンで、協賛はNanoScientificとヤマトマテリアル、Ark Station、後援は日刊工業新聞社とメカニカル・テック社。

 シンポジウムHP(https://nanoscientific.org/nss_japan/registration/2024/KDLRY-8463)から参加登録できる。参加費は無料。

 

 科学技術の革新によりナノ科学では材料、表面を計測・解析する方法も各種発展している。特に、SPMの登場により、 ナノレベルでの表面計測・解析の基礎技術としての重要性が日々増している。ナノ科学シンポジウム(NSSJ)は、走査型プローブ顕微鏡を用いた 材料科学、半導体およびライフサイエンス分野の最先端の研究情報を共有・交換するSPMユーザーシンポジウムで、2020年から開催され5回目となる今回は、以下の登壇者による講演のほか、ポスター発表がなされる。

・小林 圭氏(京都大学)「液中AFMによる固液界面物性計測と探針増強ラマン分光装置の開発」

・梁 暁斌氏(東京工業大学)「原子間力顕微鏡によるナノ応力分布とナノ導電性の可視化」

・久保田賢治氏(三菱マテリアル)「AFM、QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析」

・町田友樹氏(東京大学生産技術研究所)「二次元結晶のファンデルワールス接合によるモアレ超格子の作製と観測」

・吉田昭二氏(筑波大学)「光波駆動STMを用いた時空間ダイナミクス計測」

・前田 泰氏(産業技術総合研究所)「走査型広がり抵抗顕微鏡による全固体電池の解析:電極内部の電子伝導」

・内橋貴之氏(名古屋大学)「高速原子間力顕微鏡で探る一分子ダイナミクス」

kat 2024年8月15日 (木曜日)
kat

島津製作所、走査型電子顕微鏡大手のTESCAN社と業務提携

3週 4日 ago
島津製作所、走査型電子顕微鏡大手のTESCAN社と業務提携

 島津製作所は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下SEM)大手メーカーであるチェコ共和国のTESCAN GROUP, a.s.(以下TESCAN社)と業務提携契約を結んだ。島津製作所の主力である分析計測製品のラインアップにTESCAN社のSEMを加え、今秋に日本国内で発売を開始する。

 TESCAN社はSEM製造のパイオニアの1社だという。同社の本社があるチェコ共和国ブルノ市は電子顕微鏡に関わる企業や科学機関が集中しており、最先端の研究が活発となっている。TESCAN製品の堅牢性および操作性には定評があり、世界80ヵ国で累計4000台以上の販売実績がある。SEMの日本市場は2022年度で170億円規模で、近年は前年度比10%超で成長しているという。

 一般的に利用されている光学顕微鏡では、光の波長より小さな物は観察できないが、SEMは光より短い波長の電子線を使うことでnm単位で高解像度の表面観察が可能で、あらゆる科学技術の研究で必須かつ基本の観察分析装置となっている。ただし「電子線を試料に照射し、試料から発生する電子を検出して試料表面の形態や組成の違いを観察する」という原理のため、帯電しやすい非導電性の試料では観察が難しくなり。TESCAN社のSEMは試料の導電性によらず、常に最適な解像度とコントラストの観察画像が得られる。

 TESCAN製品による「表面観察分析」と島津製作所の分析計測機器による「成分分析」は補完的な役割を果たすため、組み合わせることで信頼性の高い一貫した分析システムを構築できるという。島津製作所は、TESCAN社との業務提携を通じて、構造生物学やナノテクノロジー、エネルギー材料、金属・鉄鋼材料などの研究開発に従事する顧客に付加価値の高いソリューションや研究プラットフォームを提供していく考え。

admin 2024年8月13日 (火曜日)
admin

新東工業、医療・食品で求められるクリーンな環境での表面処理の加工サービス

3週 4日 ago
新東工業、医療・食品で求められるクリーンな環境での表面処理の加工サービス

 新東工業株式会社( https://www.sinto.co.jp/ )は、電子部品、精密機器、医療機器等クリーンな環境下でのものづくりを支える「クリーンプロセスラボ」を開設し、クリーンな空間での表面処理加工サービスの提供を開始した。

 市場規模の拡大が見込まれる電子部品や医療機器の分野では、空気中の微生物や微粒子が不良発生に大きく影響するため、空気清浄度(空気のきれいなレベル)が一定以上確保された空間での製造が要求される。しかしながら、同社が展開するマイクロブラスト(上付け)やバレル研磨などの表面処理は、噴射材や研磨材を使用するため微粒子が浮遊する可能性が高く、これまでクリーンな環境下での使用は不向きとされてきた。

 そこで、今回、同社独自のステンレス加工技術および表面処理技術を用いて、空気清浄度の国際統一規格「ISO 14644-1」のClass7に相当し、電子部品、光学機械、精密部品や医療機器の製造を可能にした「クリーンプロセスラボ」を立上げ、クリーンな環境下での表面処理の加工サービスの提供を開始した。またISO 14644-1のClass6の要求事項を満たした洗浄工程も併設し、表面処理加工から洗浄、検査、梱包までワンストップでサービスを提供することを可能にした。

クリーン度クラスのイメージ

 

admin 2024年8月13日 (火曜日)
admin

日本熱処理技術協会、2024春季講演大会を開催

1ヶ月 1週 ago
日本熱処理技術協会、2024春季講演大会を開催

 日本熱処理技術協会(JSHT)は5月27日、28日の2日間、東京都目黒区の東京工業大学 大岡山キャンパスで「第97回(2024年春季)講演大会」を開催、約300名が参加した。今回は、河上・赤見記念講演1件と特別記念講演1件、研究発表奨励賞対象講演(Jセッション)13件、一般講演7件、シンポジウム「ショットピーニング処理の有する無限の可能性」での基調講演1件と依頼講演8件の発表がなされた。

 27日は西本明生 大会実行委員長(関西大学)の開会挨拶に続いて、Jセッションの講演が行われ、真空浸炭焼入れやプラズマ窒化、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜などに関する13件の研究成果が発表された。

開会挨拶を行う西本大会実行委員長

 

Jセッションのようす:
日産自動車・郭新新氏「真空浸炭焼入れによる肌焼鋼の結晶粒度と衝撃強さに及ぼす影響」

 

 また、河上・赤見記念講演として、2019年度の同協会「技術功績賞(林賞)」を受賞した大林巧治氏(アイシン)が「水焼入れに憧れ,鑑みて ―焼入れのメカニズムと本質―」と題して、これまでの焼入技術の取り組みや熱処理CAE、油焼入れと水焼入れ、温度分布・熱処理変形の制御、水系焼入れの団体焼入れへの適用による波及効果などについて講演を行った。

河上・赤見記念講演を行う大林氏

 

 さらに、特別記念講演として、第65回本多記念賞を受賞した三島良直氏(東京工業大学名誉教授・日本医療研究開発機構 理事長)が「金属系構造材料の特性向上に資する材料設計手法の探求」と題して、L12型金属間化合物を例に、耐熱高強度金属系構造材料の組織制御による強化や実用耐熱合金開発への応用などについて講演を行った。

特別記念講演を行う三島氏

 

 続いて、中部支部主催のイノベーション活動として31チームが参加した第3回熱処理コンテストの総合結果が報告された。一般構造用圧延鋼材SS400にそれぞれ工夫を凝らした熱処理やコーティングを施し、ロックウェル硬さ(HRC_150kg)とビッカース硬さ(HV_300g)の合計が競われ、3522HV(3117HV+41.2HRC)の硬さを実現し優勝したアイコクアルファ「楽ラク熱処理チーム」から取り組みに関する紹介がなされた。

第3回熱処理コンテストで優勝したアイコクアルファ「楽ラク熱処理チーム」の発表のようす

 

 その後、2023年度協会賞表彰式、60周年記念特別功労賞の表彰式、研究発表奨励賞の表彰式が行われた。Jセッション13件から若手研究者および技術者の研究発表を奨励することを目的として35歳以下の優秀な発表者を表彰する「研究発表奨励賞」には、最優秀賞に東京工業大学・益川琢磨氏らの「Fe-Ni合金のマルテンサイト変態に及ぼす外部拘束の影響」が、優秀賞には九州大学・大瀧真登氏らの「SUS304の温間加工によるオーステナイトの熱的安定化」と中日本炉工業・田中隆太郎氏らの「アクティブスクリーンプラズマ窒化における処理温度が窒化層形成および鋼の寸法に与える影響」が受賞した。

2023年度協会賞表彰式のようす:技術功績賞(林賞)受賞の山本科学工具研究社・山本 卓氏(右)と奥宮正洋JSHT会長(豊田工業大学)

 

研究発表奨励賞表彰式のようす:右から山本亮介審査委員長(ジェイテクトサーモシステム)、優秀賞受賞の田中氏、優秀賞受賞の大瀧氏、最優秀賞受賞の益川氏、奥宮JSHT会長

 

 28日には、CVD法によるコーティングや微小球反発試験による硬さ評価など7件の一般講演に続いて、日本熱処理技術協会とショットピーニング技術協会との連携企画である「ショットピーニング処理の有する無限の可能性」をテーマとしたシンポジウムが開催され、ショットピーニング技術協会会長の當舎勝次氏による基調講演「ショットピーニング処理の歴史と様々なピーニング効果」や「微粒子ピーニングによる食品の付着抑制等と抗菌性」など8件の依頼講演が行われた。

 両日とも、「企業技術情報展示会」が併設され、アイ・アール・システム、堀場製作所、アプロリンク、山本科学工具研究社、新東工業、ティーケーエンジニアリング、光産業創成大学院大学(アステック開発)、日本電子工業、パルステック工業、不二製作所の10社が出展した。

企業技術情報展示会のようす

 

kat 2024年7月29日 (月曜日)
kat

東京理科大学・佐々木研究室、第22回トライボサロンをハイブリッド開催

1ヶ月 1週 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第22回トライボサロンをハイブリッド開催

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第22回目が7月27日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす

 

 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第22回目となる今回のトライボサロンでは、「高強度鋼の転がり疲れにおけるき裂形成」のタイトルで、横浜国立大学・梅澤 修氏を講師に話題提供が行われた。

 講演では、転がり軸受の高サイクルの転がり接触疲労におけるき裂の形成過程や、浸炭歯車におけるピッチング疲労におけるき裂形成過程(トライボフィルムの形成・寄与をまじえて)、さらには、電気自動車(EV)などで求められる高速回転・高面圧・高静粛性を実現するための歯車の疲労強度向上で要求される、鋼の窒化処理・浸炭窒化処理への期待と課題などについて紹介した。

 なお、トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://tribo-science.com/salon

kat 2024年7月29日 (月曜日)
kat

島貿易、粉体の摩擦特性/強度の試験装置の取り扱いを開始

1ヶ月 2週 ago
島貿易、粉体の摩擦特性/強度の試験装置の取り扱いを開始

 島貿易(https://www.shima-tra.co.jp/)はこのほど、ハイテクノライズ(マークテック子会社)の粉体摩擦試験装置「MKPF-S100型」(図1)と粉体強度試験装置「MKPS-A100型」(図2)の取り扱い(装置販売および、これら装置による受託試験)を開始した。ここでは、粉体試験装置2種の概要・特徴と、応用例などについて紹介する。
 
 

図1 粉体摩擦試験装置「MKPF-S100型」

 

図2 粉体強度試験装置「MKPS-A100型」

 

粉体試験装置の概要 粉体摩擦試験装置

 粉体摩擦試験装置MKPF-S100型(図3)は、粉体層の容積を一定に保ちながら行うJIS-Z8835(一面せん断試験による限界状態線(CSL) および壁面崩壊線(WYL)の測定方法)準拠の摩擦試験装置。サーボシリンダによって垂直方向に圧密して形成させた粉体層を垂直方向に加圧した状態で、リニアアクチュエータによって水平方向に横滑りさせたときに生じるせん断応力をロードセルによって高精度に測定する。粉体層の充填性/応力緩和評価や、平面と粉体の付着性・摩擦性評価、ロット間における物性評価などに利用できる。

 特長は以下のとおり。

・1mLのサンプル(試料粉体)でも測定可能

・測定部全体での加温が可能なためムラがなく正確

・一回の測定で、摩擦、付着、圧縮といった多くのパラメーターを取得できる

・底面を任意の基板に変更して測定可能

 図4にせん断応力の測定データ例を示すが、摩擦係数(図4表中のtanθ)が高いほど摩擦力が強く、粉体の流動性が悪いことを示す。また、図5に応力伝達率と応力緩和率の測定データ例を示すが、応力伝達率は壁面摩擦の程度を測定しており、摩擦力が大きいと応力伝達率は低くなる。一方、応力緩和率は粒子の付着特性を測定しており、数値が高いほど粉体の充填性が悪く、付着力が高いことを示す。
 

図3 粉体摩擦試験装置「MKPF-S100型」の機構

 

図4 せん断応力の測定データ例

 

図5 応力伝達率および応力緩和率の測定データ例

 

粉体強度試験装置

 粉体強度試験装置MKPS-A100型(図6)は、粒子を微小な針で加圧することによって粒子が潰れる際の極微小な力を測定できるJIS-Z8844(微小粒子の破壊強度および変形強度の測定方法)準拠の装置。ステージ(試料台)と、精密ばねで支持した接触針(平面圧子)との間に粒子を挟み、ステージを動かして粒子を押し込んでいった際の、粒子の圧壊力、圧壊に要する変形量などをレーザー変位計で検出、粒子の硬さを高精度で測定する。

 特長は以下のとおり。

・3μm以上の小さい粒子が測定可能

・1mN以下の圧壊力でも明確なピークが得られる(10nN~10N)

・温調ステージ(~150℃)で温度依存性を評価可能

 図7に粒子圧壊力の測定データ例を示すが、どの程度の力で粒子が破壊するかという、粒子の極微小な圧壊力を計測するほか、圧壊に要する変形量などのデータも取得できる。また、粒子の圧壊点がない場合でも、バネのみの変位値と粒子がある場合の変位値を算出して、粒子の変形量を測定できる。
 

図6 粉体強度試験装置「MKPS-A100型」の機構

 

図7 粒子圧壊力の測定データ例

 

粉体材料への応用例

 

粉体摩擦試験装置の応用例

 粉体摩擦試験装置MKPF-S100型は、材料均一性の評価、バインダー等の添加による材料特性の評価などに応用できる。リチウムイオン電池用電極は、電極活物質などを含む粉体を圧縮成形して製造されるが、粉体の流動性が電極の生産効率や性能に影響するため、流動性を判断する摩擦力(摩擦係数)の評価は重要となる。

 また、金属3Dプリンティング用の粉体材料においては、造形効率や造形品の品質に関わる、荷重がかかった条件での流動性の評価や、充填性/密度の均一化を目的とした付着力の評価などに応用できる。

粉体強度試験装置の応用例

 電池材料の電極のロールプレス等の工程において、活物質の硬さの不足によって割れが発生してしまうと、電池容量の低下/材料劣化につながる。粉体強度試験装置MKPS-A100型は電池活物質(正/負)の硬さ評価に応用できる。

 全固体電池材料ではまた、積層された正極、固体電解質、負極がプレスされた際に固体電解質が割れてしまうと、導電パスが切れ不具合品となってしまう。こうした場面で、粉体強度試験装置MKPS-A100型は固体電解質の硬さ/変形量の評価に応用できる。

 

受託測定サービス

 島貿易とハイテクノライズでは、ユーザーの試験測定ニーズに合わせて最適な粉体試験装置を提案するほか、装置納入後も装置本来の制度を維持し正確なデータを取得できるよう、点検、診断、校正作業などのトータルサポートを行っていく。

 また、装置販売だけでなく、ユーザーから試験体を預かって上記の粉体試験装置を用いた受託測定も行う。樹脂材料から金属材料、セラミックス材料、医薬材料、食品、電池材料などの多種多様な材料粉体の物性を粉体試験装置で評価しデータを提供して、粉体の物性評価の支援を行っていく。

 粉体の摩擦や強度の測定での困りごとは島貿易まで、ぜひ相談していただきたい。

kat 2024年7月25日 (木曜日)
kat

DLC工業会、2024年定時会員総会と功労賞授賞式を開催

1ヶ月 3週 ago
DLC工業会、2024年定時会員総会と功労賞授賞式を開催

 DLC工業会( http://dlck.org/ )は6月14日、東京都港区の航空会館で「2024年定時社員総会」を開催した。当日は、中森秀樹会長(ナノテック 代表取締役社長)を議長に選出して議事が進行された。

 議事においては2023年度事業報告、決算報告が行われた後、2024年度事業計画(案)、同予算(案)について審議、満場一致で可決された。事業計画では、「DLC工業会確認マーク発行制度」による規格適合性確認マークの発行を行うこと、経済産業省(三菱総合研究所経由)のDLC国際標準化に関わる委託事業を受託し必要な活動を行うことなどを確認した。また、今年11月に京都でISO/TC107の国際会議を開催、わが国開催でロビー活動を強化し、今後のISO規格を日本主導で行えるよう働きかけていく。

 任期満了に伴う理事・監事選任では中森会長が再選。中森会長は「今回のISO/TC107の日本開催をきかっけに工業会の活動を活発にしたい。予算も限られるため自主事業に力を入れていく。また、現在のDLCの三つのISO規格はトライボロジー的要素からつくられているが、今後は医療における生体適合性や半導体分野、エネルギー産業に活用する保護膜としてのDLCの規格について検討していきたい」と述べた。

中森会長

 また、当日の席上では「DLC工業会功労賞」の授賞式が行われレスカが受賞。DLC試験方法のISO規格発行にあたり多大なる貢献をしていることや、同工業会の講演会などに貢献していることが認められた。レスカを代表して挨拶を行った宝泉俊寛氏は「今回はこのような栄誉ある賞をいただき、ありがとうございました。弊社は試験機メーカーでコーティングの摩擦・摩耗や密着性の評価を行っているが、DLCについても試験・評価を行っており工業会に携わらせていただいている。今後もDLCの評価について良いものは良い、悪いものは悪いといった判断ができる試験方法を提供していきたい」と述べた。

宝泉氏と中森会長

 同工業会の現時点での正会員は、ナノテック、リックス、アルテクス、トッケン、平和電機、ナノテックシュピンドラー、フロロコート、ウエキコーポレーション、レスカ、ウォルツの10社。特別会員は大竹尚登氏(東京工業大学)、大花継頼氏(産業技術総合研究所)、平栗健二氏(東京電機大学)、平田 敦氏(東京工業大学)の4名となっている。

admin 2024年7月12日 (金曜日)
admin

機械要素の表面課題を複合処理で解決する表面設計コンソーシアム

1ヶ月 3週 ago
機械要素の表面課題を複合処理で解決する表面設計コンソーシアム 編集部 1.はじめに

 表面設計コンソーシアムは2022年7月、複雑な表面課題にソリューションを提供しつつ、今後求められる表面課題に対応する複合処理の技術開発をする目的で設立された。創設メンバーは、微粒子投射技術を有する不二WPCと、多様なコーティング技術を持つ日本電子工業、熱処理技術を提供する武藤工業、金型の設計・製造を手掛ける昭和精工に加えて、豊富な分析評価技術を保有する神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)、理論構築を担う横浜国立大学、事務局・広報を務めるメカニカル・テック社。

 本格稼働を開始した表面設計コンソーシアムは本年6月19日~21日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕される「第29回 機械要素技術展[東京]」の不二WPC/表面設計コンソーシアムの共同ブース(ブースNo.E58-18)において、共同受注によるビジネス創出に向けて、共創により可能になる複合処理についてアピールする。

 本稿では、表面を設計することの難しさと、各種の表面課題にソリューションを提供する、同コンソーシアムの共創による表面改質の複合技術について、事例をまじえて紹介する。

2.「表面を設計する」ことの重要性と、コンソーシアムの役割

 表面に優れた機能を与えるには、ベース素材の材料設計技術や表面改質技術、その上に被覆する薄膜制御技術、さらには最表面のテクスチャ制御技術までをトータルに高度なレベルで協調させる「設計」が必要である(図1)。

図1 表面設計のイメージ

 金型や機械部品の不具合は、損傷がかなり進んだ段階で発覚することが多いために、一部が欠損していたり、摩滅や腐食が進行したりしていて「はじめに何が起きたのか」を明らかにするのが容易でない場合がよくある。摩耗・摩擦・チッピング(微小な欠け)・はく離・凝着・焼付き・かじり・変寸・曲げ疲労・転動疲労・面疲労など、はじめに起きる損傷過程を突き止めることで、効果的なソリューションの提供につなげることができるが、証拠が不十分であったり、時間やコストを十分にかけられなかったりすることも多く、容易ではない。

 現象が複雑・動的でメカニズム解明が容易でないといったこうした表面技術分野において、生産技術に関わる企業からのニーズ・オーダーに対して1機関で表面設計ソリューションを開発・提供することは難しい。これに対し表面設計のスペシャリスト集団である表面設計コンソーシアムは、情報が分散しがちで目標が不明瞭になりがちといった、ものづくり企業を取り巻く環境の変化や課題に対して、ワンストップで情報を集約・統合し目標の明確化と技術の統合を図り技術の高付加価値化につなげることのできる、産官公地域連携の新しい形である、と言える。

3.表面改質の複合技術による、最適な表面設計ソリューションの提案

 表面設計コンソーシアムは、熱処理やコーティングなど単一の技術では対応できない表面に関わるユーザーのニーズ・オーダー(表面課題)に対し、計測・評価を経た根拠のある合理的で最適なバリューコストを高める表面設計ソリューションや、各種の表面損傷に対して寿命予測が可能な表面設計ソリューションを開発し提供する、表面技術のスペシャリスト集団である。同コンソーシアムでは、図2のような形で表面設計ソリューションの提供を進めていくが、中でも「ソリューションラボ」(不二WPCのオープンラボ、https://www.fujiwpc.co.jp/open-lab/)における調査・分析業務が重要となる。コンソーシアム保有技術からなる複合技術によって最適な表面設計を実現することで、ユーザーにコストプライスではなくバリュープライスを認めてもらうことが重要である。充実した分析・試験設備を保有するソリューションラボ(表1)は、バリューを評価してもらうための中心的なスペースであり、ユーザーとともに実際の不具合品を見ながら故障解析を行い複合技術による最適化提案を行うほか、これから必要となる技術開発のための単体試験・実証試験が行え、複合技術による技術提案ができる場と位置付けられている。

図2 取引の流れ表1 ソリューションラボの保有設備4.複合技術の事例:WPC処理と硬質皮膜の組み合わせによるパンチの寿命向上

 コンソーシアムメンバーの保有技術の複合化による表面課題の解決事例を一つ紹介する。

 六角ボルト穴加工用の工具鋼パンチは激しい摩耗損傷に曝される。そこでこのパンチに窒化チタン(TiN)コーティングを施すことにより寿命を約5倍に延長することができた。

 しかしながらTiNコーティングを施したパンチでは寿命は長いものの、突発的な欠けによって損傷するため、高サイクル加工では瞬時に大量の不良品が発生してしまう。つまり品質管理が困難と言える。逆に言うと、TiNコーティングを施していないパンチでは寿命は短いものの、凝着や摩耗によって損傷が進行するため交換時期が予測でき、品質管理が容易となる。

 従来の表面設計では、耐摩耗性を重視するあまりにパンチの基材である工具鋼の硬さを硬くし、さらにその上に硬質薄膜を付与することが多い。しかしその代償として疲労強度や靱性が劣化し、脆性的な欠けや疲労破壊を誘発しやすくなってしまう。これに対し推奨される表面設計は、基材の材料特性を向上させる表面改質を施した上で、硬質薄膜を形成させることである(図3)。

図3 従来の表面設計(左)と推奨される表面設計(右)

 硬質薄膜形成によって基材の疲労強度は劣化する。これは脆い硬質薄膜に発生するマイクロクラックが基材へと進展するためである(図4)。つまり、硬質薄膜形成は耐摩耗性を向上する反面、疲労強度を低下させてしまう。

図4 TiN被覆による合金工具鋼(SKD61)の疲労強度の低下

 これに対し、基材の表面改質処理としてWPC処理(金属製品の表面に微粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させることで表面が改質する技術)を施すと、疲労強度が向上する。これは主として、WPC処理によって基材表面に大きな圧縮残留応力が付与されるためである。

 図5に示すとおり、基材(SKD61、下から二番目の曲線)にTiNコーティングを施すと疲労強度が低下する(一番下の曲線)が、WPC処理(図中のFPB)によって疲労強度が向上した基材(一番上の曲線)にTiNコーティングを施しても疲労強度の劣化はわずか(上から二番目の曲線)であり、依然として高い疲労強度を示す。また、TiNコーティングを溶解除去すると、もとのWPC処理材の疲労強度に戻る。

図5 WPC処理によるTiN薄膜形成による疲労強度低下の抑制

 このことからWPC処理によって付与される圧縮残留応力は硬質薄膜形成後も有効に維持されていると考えられる。
このように、WPC処理と硬質薄膜を適切に組み合わせることによって、耐摩耗性と疲労強度や靱性をバランスよく向上することができる。

 表面設計コンソーシアムの保有技術や複合処理で可能になることなど、詳細は同コンソーシアムのウェブサイト(https://surfacedesignconsortium.com/)をご覧いただき、お問い合わせいただきたい。

5.おわりに

 表面課題の解決においては、情報と技術の整理と統合がとても重要である。
 繰返しになるが、金型や機械部品の不具合は、損傷がかなり進んだ段階で発覚することが多いために、一部が欠損していたり、摩滅や腐食が進行したりしていて、はじめに何が起きたのかを明らかにするのが容易でない場合がよくある。はじめに起きる損傷過程を突き止めることで、効果的なソリューションの提供につなげることができるが、証拠が不十分であるなど、容易ではない。

 こうした問題に対応するために、表面設計コンソーシアムでは、独自のサービスとして「ソリューションラボ」を開設し、表面設計のスペシャリストであるメンバーが集まって、ユーザーと一緒に原因の調査を行う。ソリューションラボには、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡、粗さ計、硬さ計、残留応力測定装置などの各種測定装置が完備されており、ユーザーの情報や測定・分析の結果をもとに、さまざまな角度かディスカッションして、考えられる原因の絞り込みと改善のための表面設計プランを提案していく。さらに必要に応じて、より高度な分析機器を用いた調査や検証実験、実機評価試験にも対応する。

 表面設計コンソーシアムではこのように、情報を整理・統合して、現象を正しく判断をするとともに、メンバー各社が持つさまざまな技術・ノウハウを統合して、根拠のある合理的な表面設計ソリューションを提供することを目指している。

 機械要素から、金型、切削工具に至るまで、表面に関する困りごとがあれば何でも気軽に、表面設計コンソーシアムに相談いただきたい。まずは、本年6月19日~21日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕される「第29回 機械要素技術展[東京]」の不二WPC/表面設計コンソーシアムの共同ブース(ブースNo.E58-18)まで、是非とも足を運んでいただき、表面課題に関するディスカッションができれば幸いである。
(月刊ソフトマター2024年6月号より転載)

admin 2024年7月12日 (金曜日)
admin

ヤマハ発動機、水素ガスに対応する溶解炉と熱処理炉を備えた実証施設を新設

1ヶ月 3週 ago
ヤマハ発動機、水素ガスに対応する溶解炉と熱処理炉を備えた実証施設を新設

 ヤマハ発動機は、水素ガスに対応する溶解炉と熱処理炉を備えた実証施設を森町工場(静岡県周智郡森町)に新設する。2025年より、水素ガスによるアルミ合金溶解技術の開発・検証をはじめ、施設・設備等に関わる総合的な実証実験を開始する。2026年末には水素ガスによるアルミ合金の溶解および鋳造部品の熱処理に関する技術開発を完了し、2027年以降、同社グループの国内外鋳造工場に順次導入していく計画。

 この実証実験は、製品ライフサイクル全体のCO2排出量のうち、スコープ1( 自社による直接排出(製品の製造や燃料の燃焼))の最少化を目指した取り組みの一つ。二輪車や船外機等の鋳造部品の製造では、現在、アルミ合金を溶解するための熱エネルギーに都市ガスなどの化石燃料を使用している。その代替エネルギーを探求する中で、大きな熱量を要する溶解工程の電化はエネルギー効率という点で不向きという判断から、同社ではスコープ3(製品の使用や配送・輸送などによる排出)の選択肢の一つとしても研究を進める水素エネルギーに着目した。

 実証実験では、水素ガスを用いた場合の品質への影響を検証するほか、水素バーナーによる温度制御等の開発を進める。また、グリーン水素を製造する装置と、外部加熱を使わずに合成メタンを製造するメタネーション装置(CO2と水素を触媒で反応させ、合成メタンを製造する装置(静岡大学との共同研究))についても導入を検討しており、水素ガスを安価に製造する設備や、排気ガス中のCO2を再利用する技術開発にも取り組む。

 同社は「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」で、2050年までに事業活動を含むサプライチェーン全体のカーボンニュートラルを目指している。また、スコープ1、2においてはグループ会社を含む各製造拠点におけるカーボンニュートラル実現の目標を2035年に前倒しし、各種の取り組みを加速させている。

 

admin 2024年7月12日 (金曜日)
admin

大同特殊鋼、自動車部品の熱処理に対応した連続式真空焼鈍炉の初号機を受注

1ヶ月 3週 ago
大同特殊鋼、自動車部品の熱処理に対応した連続式真空焼鈍炉の初号機を受注

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、自動車部品の熱処理に対応した連続式真空焼鈍炉の初号機を発売し、浜名部品工業から受注した。

 本設備は、ヒーター加熱式を採用することで、エネルギー源を電気のみとし、化石燃料を一切使用しない熱処理炉。CO2排出係数がゼロのカーボンフリー電力を使用することで、顧客のCO2排出量ゼロを可能とする。また、従来の雰囲気焼鈍炉では、化石燃料由来の炉内雰囲気を必要としていたが、炉内を真空にすることで従来の設備と同等以上に酸化および脱炭を抑制しながら、雰囲気ガスの使用量をゼロとしている。

 同社はこれまでも、主に磁石製造などにおける焼結工程向けに、連続式真空熱処理炉を販売している。本設備の提案にあたり、同社が培ってきた真空技術を鍛造部品や電磁鋼板といった自動車部品の焼鈍工程向けに応用した。今回の受注は、本設備による完全カーボンニュートラル熱処理の提案が、CO2排出量削減に取り組む自動車部品サプライヤーに評価されたものだという。

 また、同社は工業炉のカーボンニュートラルを推進する技術として、今回の「電化×真空」のほかに、「水素バーナー+炉内雰囲気のCO2分解」の開発を進めており、「カーボンニュートラルSTC炉」の2027年以降の販売開始を計画している。

連続式真空焼鈍炉(イメージ図)

 

admin 2024年7月12日 (金曜日)
admin

産総研など、脳動脈瘤治療用ステントの抗血栓性コーティングを開発

1ヶ月 3週 ago
産総研など、脳動脈瘤治療用ステントの抗血栓性コーティングを開発

 産業技術総合研究所(産総研)生命工学領域連携推進室 寺村 裕治 連携主幹(細胞分子工学研究部門 分子機能応用研究グループ 研究グループ付)は、ジャパン・メディカル・スタートアップ・インキュベーション・プログラム(JMPR)、N.B. Medicalと共同で、脳動脈瘤治療用ステントのための新規抗血栓性コーティングを開発した。

 血液と接触する医療機器において、血栓の発生を抑制することは重篤な合併症を回避する重要な要素。血管内に異物を留置するため、ステントを使用した患者は常に血栓性合併症のリスクにさらされている。そのため抗血小板剤の服用が必須となる。また、血栓発生のリスクを低減するために、これまで多くの抗血栓性コーティングが研究されてきた。従来のコーティングは、タンパク質の非特異的吸着を抑制することで抗血栓性を発揮するという原理が主流だったという。タンパク質吸着の抑制は同時に細胞の接着を阻害することも意味する。そのため従来技術において、抗血栓性と細胞接着性はどちらかを向上させるともう一方は低下する相反関係にあった。

 一方で開発した新規抗血栓性コーティングでは原理が異なる。この技術は、血中の非凝固系タンパク質を優先的に吸着することで、ステント表面から生じる血液凝固反応が抑制される。タンパク質の吸着を抑制するのではなく制御する本技術では、抗血栓性を発揮すると同時に細胞接着性が向上している。細胞接着性の向上によって、ステントが血管に取り込まれる速度を増加する。ステントが血管内に早期に取り込まれることは、治療の早期完了を意味する。

 開発成果は、さまざまな候補分子において検証を行い、その中で3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)をステント表面にコーティングすることで、従来の抗血栓性ポリマーと同等以上の抗血栓性を発揮しつつ、細胞の接着性の向上が認められた。

図1 コーティング材料の化学構造とステント表面の模式図

 コーティングが有する抗血栓性をヒト血液との接触試験によって確認した。血液に接触させた後、ステントと血液を分析して抗血栓性を評価した。その結果を図2に示す。コーティングなしのステントは血栓に覆われているのに対し、コーティングありのステントは血栓がほとんど付着していない。また血液中の血小板数は、血小板が凝集して血栓化が進行したことで、採血直後の血液を100%とするとコーティングなしのステントと接触した血液は約50%まで減少していた。一方で、コーティングありのステントと接触した血液では血小板の減少はほとんど確認されなかった。

図2 抗血栓性の評価結果
(a)ステントの電子顕微鏡画像 (b)血液中の残存血小板比率
**p<0.01はこの結果が偶然である確率が1%未満であり、統計的に非常に有意であることを示している。

 さらに細胞の接着性について、従来の抗血栓性コーティングにおいて臨床で最も実績のあるポリマーコーティング(MPCポリマー)との比較を行った。ステントと同材料の基板で血管内皮細胞の培養を行った。顕微鏡で観察したところ、新規コーティングをした表面では従来コーティングをした表面よりも8倍以上多く細胞が接着していた(図3)。

図3 細胞接着の評価結果:蛍光顕微鏡観察画像

 また、ブタによる大動物実験によってコーティングの安全性も確認した。ブタの血管にコーティングステントを1週間留置し、ブタの状態とステントを留置した血管を評価した。その結果、ブタの健康状態に異変はなく、ステントを留置した血管に異常がないことも血管造影によって確認した(図4)。

図4 コーティングステントを留置したブタ血管の画像
正常に血流が維持されている。ステントによる血管損傷や血栓の発生、コーティングによる体への影響などもない。

 以上の結果の通り、今回開発されたコーティングは抗血栓性と細胞接着性を両立したステントを可能にする。この技術が示した抗血栓性により、ステント治療で課題とされてきた血栓性合併症のリスクを低減する。さらに細胞接着性が向上したことで、ステントの血管内皮化を促進し、血管への取り込みが早まる可能性を示した。ステントの血管内皮化において、まず周囲の細胞がステントに接着していくことから始まる。接着した細胞は徐々に広がり、ステントを覆う。そして最終的に細胞によって覆いつくされ、ステントが血管内に完全に取り込まれることで治癒が完了する。以上の通りステント治療において、細胞接着が生じなければ治癒が開始されないため非常に重要な過程になる。細胞接着性の向上によって治癒が促進されれば治療期間が短縮化し、抗血小板剤の減薬が可能となることで患者の負担が軽減されるだけでなく医療費の削減にも貢献できる。

admin 2024年7月12日 (金曜日)
admin

ブルカージャパン、7月17日、18日に名古屋で表面計測・機械物性計測技術セミナーを開催

2ヶ月 1週 ago
ブルカージャパン、7月17日、18日に名古屋で表面計測・機械物性計測技術セミナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は7月17日、18日の両日、名古屋市中村区ウインクあいち(愛知県産業労働センター)1303会議室で、最新ナノインデンター/摩擦摩耗試験機/三次元表面形状評価/CMP評価機の実機を見ながら測定技術が一度に学べるセミナー「表面計測・機械物性計測技術セミナー」を開催する。

 テーマを「パワー半導体」と「評価技術」とし、各テーマ1日で実施。また、両日ともにセミナー開催前に事前予約制の個別デモを行うほか、参加者が持参したサンプルを用いて装置性能を評価できる。

 内容は以下のとおり。

7月17日 テーマ:次世代パワー半導体向け評価技術

・12:30~13:00 受付

・13:00~14:00 特別講演「次世代パワー半導体の結晶欠陥評価技術の開発~ナノインデンテーションを活用した欠陥導入と評価の事例~」姚 永昭氏(三重大学 研究基盤推進機構半導体・デジタル未来創造センター 教授)…ワイドギャップ半導体(SiC、GaN、β-Ga2O3など)は、高電力密度や低損失、高温での安定性など、従来の半導体に比べて優れた性能を持ち、近年、これらの材料を利用した次世代のパワーデバイスの研究開発が大きな進展を遂げている。しかしながら、結晶成長が困難で成長後の結晶中に転位等の格子欠陥が高密度に含まれる課題は未だに残る。格子欠陥の分布と種別を正確に取得した上で、デバイスの性能と信頼性を大きく低下させるキラー欠陥を特定し、その情報を結晶成長とデバイス作製にフィードバックすることが極めて重要である。本講演では、これらのワイドギャップ半導体の結晶評価技術の開発に焦点を当て、従来の評価手法の限界と課題を解説し、新たな手法開発の取り組みとして、放射光X線トポグラフィーをはじめ、エッチピット法、透過型電子顕微鏡(TEM)、多光子励起顕微鏡、ナノインデンテーションを活用した導入欠陥の構造解析の事例を紹介する。

・14:00~14:20 「半導体分野で活用されるナノインデンター活用事例」二軒谷 亮氏(ブルカージャパン ナノ表面計測事業部)

・14:20~14:40    「半導体分野で活用される非接触光干渉計の活用事例」秋本壮一氏(ブルカージャパン ナノ表面計測事業部)

・14:40~15:00 「卓上CMP評価機を用いたスクリーニング評価事例」塚本和己氏(ブルカージャパン ナノ表面計測事業部)

・15:30~16:30 装置デモンストレーション (各20分)
① ハイジトロン ナノインデンター TI Premier
② 3次元白色干渉型顕微鏡 ContourX-500
③ 卓上CMP評価機 TriboLab CMP

 当日の詳細と申し込みは以下まで。
https://web.gogo.jp/braker-axs/form/nagoyaws

 

7月18日 テーマ:最新ナノインデンター/トライボロジー評価/白色干渉計 評価技術の原理・事例・解析手法・成功のヒント・装置実演

・12:30~13:00    受付    

・13:00~14:00    特別講演 「次世代パワー半導体の結晶欠陥評価技術の開発~ナノインデンテーションを活用した欠陥導入と評価の事例~」姚 永昭氏(三重大学 研究基盤推進機構 半導体・デジタル未来創造センター 教授)…ワイドギャップ半導体(SiC、GaN、β-Ga2O3など)は、高電力密度や低損失、高温での安定性など、従来の半導体に比べて優れた性能を持ち、近年、これらの材料を利用した次世代のパワーデバイスの研究開発が大きな進展を遂げている。しかしながら、結晶成長が困難で成長後の結晶中に転位等の格子欠陥が高密度に含まれる課題は未だに残る。格子欠陥の分布と種別を正確に取得した上で、デバイスの性能と信頼性を大きく低下させるキラー欠陥を特定し、その情報を結晶成長とデバイス作製にフィードバックすることが極めて重要である。本講演では、これらのワイドギャップ半導体の結晶評価技術の開発に焦点を当て、従来の評価手法の限界と課題を解説し、新たな手法開発の取り組みとして、放射光X線トポグラフィーをはじめ、エッチピット法、透過型電子顕微鏡(TEM)、多光子励起顕微鏡、ナノインデンテーションを活用した導入欠陥の構造解析の事例を紹介する。

・14:00~14:20    「半導体分野で活用されるナノインデンター活用事例 」二軒谷 亮氏(ブルカージャパン ナノ表面計測事業部)

・14:20~14:40    「半導体分野で活用される非接触光干渉計の活用事例」秋本壮一氏(ブルカージャパン ナノ表面計測事業部)

・14:40~15:00    「卓上CMP評価機を用いたスクリーニング評価事例」塚本和己氏(ブルカージャパン ナノ表面計測事業部)

・15:30~16:30 装置デモンストレーション (各20分)
① ハイジトロン ナノインデンター TI Premier
② 3次元白色干渉型顕微鏡 ContourX-500
③ 卓上CMP評価機 TriboLab CMP

 当日の詳細と申し込みは以下まで。
https://web.gogo.jp/braker-axs/form/nagoyaws0718

kat 2024年6月26日 (水曜日)
kat

日本熱処理技術協会、12月2日、3日、2024年度第3回熱処理技術セミナーを開催

2ヶ月 1週 ago
日本熱処理技術協会、12月2日、3日、2024年度第3回熱処理技術セミナーを開催

 日本熱処理技術協会は12月2日、3日の両日、対面参加(定員:30名、製粉会館:東京都中央区日本橋兜町15-6)およびオンライン参加からなるハイブリッド形式により、「2024年度 第3 回熱処理技術セミナー-熱処理基礎講座Ⅱ-」を開催する。

 第3回熱処理技術セミナーでは、浸炭・窒化・高周波といった代表的な表面硬化熱処理技術を中心に、これらの熱処理とは不可分な金属学的現象への解説を加えて、熱処理技術を中心に据えた基礎講座プログラムで構成されている。本セミナーは、企業における人材育成に最適なプログラムとなっている。

 申込締切は11月21日(または定員に達した場合)で、以下のURLまたはQRコードから申し込みができる。参加費は正会員46200円(税込)、維持会員46200円(税込)、非会員68200円(税込)、高専、大学、大学院に所属する学生会員および非会員に適用される学生価格は9900円(税込)。

https://forms.office.com/r/dEHGcuL7mF

 

 内容は以下のとおり。

 

12月2日

・9:55~10:00「開会挨拶および注意事項」日本熱処理技術協会

・10:00~11:30「鋼の焼入性と合金元素~合金鋼の焼入焼戻しを知る基礎知識~」梅澤 修氏(横浜国立大学)…本講演では、鋼の等温(恒温)変態線図および連続冷却変態線図、焼入性について概説の上、鋼の焼入性に及ぼす炭素量および合金元素の影響、焼入・焼戻しによる強化との組織学的関係について述べる。

・12:30~14:00「拡散~鋼の熱処理における拡散現象の基礎的理解~」中田伸生氏(東京工業大学)…本講演では、熱処理、表面処理において拡散は重要な現象である。本講義では、金属を対象とした物質の拡散について概説する。特に気/固界面や相変態を含む複相間での拡散を理解するため、化学ポテンシャル勾配による拡散を理解することを目的とする。

・14:10~15:40「残留オーステナイト~形成機構と有効利用技術~」土山聡宏氏(九州大学)…本講演では、焼入れした鋼中に生成する残留オーステナイトについて、その生成機構や生成量に及ぼす鋼組成と熱処理条件の影響について述べる。また、残留オーステナイトの有効利用を目的とした最近の研究についても紹介する。

・15:50~17:20「表面硬化熱処理の基礎~表面硬化熱処理の必要性・効果・注意点~」奥宮正洋氏(豊田工業大学)…本講演では、機械構造用部品に用いられる鋼を加熱してオーステナイト組織とし、炭素または窒素を侵入させた後に焼入れして機械的性質を向上させる表面硬化熱処理に関する硬化メカニズム、得られる組織、雰囲気管理方法等について基礎的な解説を行う。

 

12月3日

・10:00~11:30「金属の高温酸化~熱力学と速度論の観点から,金属材料の表面酸化を理解する~」上田光敏氏(北海道大学)…本講演では、金属の高温酸化現象を概観するとともに、酸化現象を理解する上で重要となる平衡論(金属酸化物の化学的安定性)と速度論(酸化皮膜の成長とイオンの拡散)について概説する。

・12:30~14:00「鉄鋼材料の窒化・浸窒処理~表面組織制御の考え方~」宮本吾郎氏(東北大学)…窒化処理や浸窒焼入れ処理によって適切な表面特性を得るためには、表層組織の制御が欠かせない。本講演では、組織制御に必要となる状態図・熱力学や拡散、化合物層、拡散層生成挙動と表面硬化の関係について概説する。

・14:10~15:40「鉄鋼材料の高強度化と変形・破壊の基礎~転位論に基づく強度上昇メカニズム~」田中將己氏(九州大学)…本講演では、材料の破壊現象について、塑性変形をほとんど伴わない脆性破壊から塑性変形を伴う延性破壊について、その特徴を材料学的な見地に立ってその解説を行う。特に塑性変形(転位運動)挙動の温度依存性に着目する。

・15:50~17:20「高周波熱処理~IH 熱処理の特徴と応用~」井戸原 修氏(高周波熱錬)…高周波熱処理は急速短時間加熱、表面加熱、部分加熱を特徴とし、自動車部品など機械構造用部品の熱処理の熱処理方法として幅広く用いられている。本講演では、この高周波熱処理技術の基礎と特徴、応用について解説する。

kat 2024年6月26日 (水曜日)
kat

日本熱処理技術協会、10月24日、25日に2024年度第2回熱処理技術セミナーを開催

2ヶ月 1週 ago
日本熱処理技術協会、10月24日、25日に2024年度第2回熱処理技術セミナーを開催

 日本熱処理技術協会は10月24日、25日の両日、対面参加(定員:30名、製粉会館:東京都中央区日本橋兜町15-6)およびオンライン参加からなるハイブリッド形式により、「2024年度 第2 回熱処理技術セミナー-熱処理応用講座-」を開催する。テーマは、「窒素活用による表面改質技術の最前線」。

 第2回熱処理技術セミナーでは窒素を活用した表面改質技術について取り上げる。窒素を活用した表面改質は、金属材料の表面にさまざまな機能を付与する処理として広く活用されている。さらに、新しい技術の開発も継続しており、進歩が著しい熱処理技術の一つである。本講座では、窒素を活用した表面改質技術について、第一線で技術開発に取り組んでいる講師を招いて講演がなされる。社員教育をはじめとした企業における人材育成に最適なプログラムとなっている。

 申込締切は10月20日(または定員に達した場合)で、以下のURLまたはQRコードから申し込みができる。参加費は正会員46200円(税込)、維持会員46200円(税込)、非会員68200円(税込)、高専、大学、大学院に所属する学生会員および非会員に適用される学生価格は9900円(税込)。

https://forms.office.com/r/Ne9eSNAYMW

 

 内容は以下のとおり

10月24日

・9:25~ 9:30「開会挨拶および注意事項」日本熱処理技術協会

・9:30~10:30「自動車分野における窒素活用技術の開発事例~浸窒焼入の量産化、高強度窒化の基礎開発~」田和久佳氏(トヨタ自動車)…近年、カーボンニュートラルや製品ニーズの変化を受けて窒素を活用した熱処理技術がより一層注目されている。本講演では、当該熱処理に携わる人々の参考になればという視点で、過去にトヨタ自動車で取り組んだ「窒素を活用した熱処理技術開発」の中から二つの事例を取り上げ紹介する。

・10:40~12:10「ガス窒化、ガス軟窒化技術~雰囲気窒化処理の基礎と応用~」武本慎一氏(DOWAサーモテック)…浸炭と並ぶ代表的な表面硬化処理として工業的に広く用いられている窒化処理は、各種鋼部品の耐摩耗性、耐疲労性の向上だけでなく、低温域での処理であることからCN への貢献も期待されている。本講演では、ガス窒化、ガス軟窒化の基礎とプロセスの実際について解説するとともに、最近の開発事例についても紹介する。

・13:10~14:40「塩浴軟窒化と周辺技術~塩浴軟窒化処理の概要と特徴~」石塚はる菜氏(日本パーカライジング)…高合金鋼やステンレス鋼などの窒化しにくい鋼にも適用できる塩浴軟窒化処理は、自動車部品を中心に幅広く適用されている。本講演では、塩浴軟窒化処理の基礎や特徴を概説し、その特性についても紹介する。

・14:50~15:50「窒化のモデリング技術~物理モデルから機械学習モデルへ~」宮本吾郎氏(東北大学)…窒化は表面から吸収された窒素が内部へ拡散すると同時に、材料中の窒化物生成元素が合金窒化物として析出して表面近傍を硬化させるため、そのモデル化には拡散と析出の両方の考慮が必要であった。一方、最近のデータ科学的手法を用いることで、そのような物理モデルに立脚せず窒化挙動をモデル化する取り組みも始まっている。本講演では、それら窒化モデルについて講師の取り組みを中心に紹介する。

 

10月25日

・9:00~10:30「浸窒処理の現状と課題~窒素を活用した表面熱処理技術の展望~」築山訓明氏(岡山県工業技術センター)…カーボンニュートラルやSDGsなど、熱処理分野においても、環境問題対策への要求が高まっている。本講演では、浸窒焼入れを中心に、アンモニアガスや窒素ガスを活用した表面熱処理技術の概要と、これら熱処理の展望(と期待)について考察する。

・10:40~12:10「軸受用鋼の浸炭浸窒処理~浸炭浸窒による転がり軸受の高強度化~」水田浩平氏(NTN)…浸炭浸窒処理が施された転がり軸受は、窒素の侵入や固溶などによってその表層が改質され、さまざまな特性が付与される。本講演では、軸受用鋼に用いられる浸炭浸窒処理方法を概説し、浸炭浸窒処理が施された転がり軸受の性能例を紹介する。

・13:10~14:40「窒化雰囲気制御とセンサ技術~窒化ポテンシャル・浸炭ポテンシャル同時独立制御の実際~」河田一喜氏(河田技術士事務所)…本講演では、ガス窒化、ガス軟窒化、浸窒焼入れ、ガス浸炭窒化処理の雰囲気制御について紹介する。特に、水素センサ、酸素センサ、赤外線NH3センサを使って窒化ポテンシャル(KN),浸炭ポテンシャル(KC)を制御することで、目的とする相組成の化合物層や狙った炭素・窒素濃度のマルテンサイトの形成を可能にする雰囲気制御技術について紹介する。

・14:50~16:00「プラズマ窒化を利用した複合表面改質処理~複合表面改質処理による性能向上の適用例~」池永 薫氏(日本電子工業)…プラズマ窒化は1932年にドイツで発明され、1973年に日本で実用化されるようになった。近年、プラズマ窒化は窒素および水素ガスを用いた安全かつ作業環境に配慮したプロセスとして注目されている。本講演では、プラズマ窒化の概説から本法を利用したセラミックコーティング等との複合表面改質の応用および事例について紹介する。

kat 2024年6月26日 (水曜日)
kat

日本熱処理技術協会、9 月26 日、27 日にサーモ・スタディ2024(岡山)を開催

2ヶ月 1週 ago
日本熱処理技術協会、9 月26 日、27 日にサーモ・スタディ2024(岡山)を開催

 日本熱処理技術協会は岡山県工業技術センターと共同で9 月26 日、27 日の両日、岡山県岡山市のテクノサポート岡山 研修棟 大会議室で「熱処理テクニックの基礎と新しい熱処理技術」をテーマとする「サーモ・スタディ2024(岡山)」を以下のとおり開催する。

 申込締切は9 月21 日(または約80名の定員に達した場合)で、以下のURLまたはQR コードから申し込みができる。聴講料は16500円(消費税込み)。

https://forms.office.com/r/R9z2Zr35Wn

 
9月26日

・9:30~ 9:40「開会の挨拶」西 勝志氏(岡山県工業技術センター 所長)

・9:40~10:35「窒化処理と設備の技術動向」武本慎一氏(DOWAサーモテック)…窒化処理はカーボンニュートラルに貢献できる表面処理方法として近年改めて注目が高まっている。本講演では窒化処理の基礎的事項も含めて窒化技術を概説したのち、新しい技術動向についても実例を交えて紹介する。

・10:40~11:35「窒素による鋼の新表面硬化法」大西拓也氏(日本テクノ)…古くて新しいテーマである窒素による鋼の表面硬化技術は,「低ひずみ」、「低温処理」、「高硬度」、「焼もどし軟化抵抗性」等の要望に応える有望技術である。本講演では、窒素による鋼の新表面硬化法の一端をまとめ紹介する。

・12:25~13:20「プラズマ窒化を利用する複合表面硬化処理」大沼一平氏(日本電子工業)…プラズマ窒化は窒素および水素ガスを用いた環境負荷の小さい熱処理プロセスとして近年注目されている。本講演では、プラズマ窒化の概説から本法を利用したセラミックコーティング等との複合表面改質の応用事例について紹介する。

・13:25~14:20「真空浸炭設備とその付帯設備」中本一朗氏(IHI機械システム)…表面硬化処理法として浸炭は広く適用されている。近年、省エネルギーやカーボンニュートラルの観点からアセチレン真空浸炭が注目されている。本講演では、アセチレン真空浸炭の導入時に注意すべき特長や真空浸炭処理ラインの構築に必要な付帯設備について紹介する。

・14:30~15:25「環境にも現場にもやさしい真空浸炭炉」田村和之氏(大同特殊鋼)…ギヤやシャフトなど、形状が複雑で高強度が必要な鋼材部品の表面硬化処理として、浸炭処理・浸窒処理が広く一般的に用いられている。本講演では、同社がラインアップする真空浸炭炉モジュールサーモおよびシンクロサーモの特徴と、その導入効果について紹介する。

・15:30~16:25「浸炭設備の高性能化と多様化」吉井聡一氏(中外炉工業)…本講演では、ガス浸炭について、浸炭のメカニズム、雰囲気の制御方法や設備の種類について説明する。併せて、省エネルギーや焼入れひずみ低減に向けた設備の高性能化への取り組みや、水素バーナ、アンモニアバーナをはじめとした脱炭素化に向けた取り組みについても説明する。

・16:45~18:45「技術交流会(懇親会/ 花水木、希望者・会費別途4400円(消費税込み))」

 

9 月27 日

・9:10~10:05「高機能表面改質装置とプロセス」木立 徹氏(オリエンタルエンヂニアリング)…各種熱処理において雰囲気管理は非常に重要な因子の一つである。本講演では、ガス浸炭やガス窒化、さらには真空浸炭における各種センサによる雰囲気の見える化と、それらを用いた制御方法について説明する。

・10:10~11:05「水溶性焼入液の適用と液管理」柳原欣尚氏(ナガセケムスペック)…本講演では、水溶性焼入液とは何か、代表的なポリマーであるポリアルキレングリコールを用いた際の水や鉱物油等との違いを長所、短所を踏まえて説明する。また、使用する際の水溶性焼入液の管理方法などの注意ポイントについて化学的観点からの解説を実施する。

・11:55~12:50「特徴ある熱処理油剤について」橋本誠二氏(日本グリース)…最近の熱処理油剤への要求として本来の目的である一次性能の冷却性能だけでなく、各種法規制や環境対応等を考慮した二次性能を有する熱処理油剤のニーズがある。本講演では、ニーズに対応するために開発された特徴ある熱処理油剤の一部について紹介する。

・12:55~13:50「金属表層の硬さ試験」山本正之氏(山本科学工具研究社)…硬さ試験は、その適用範囲の広さ、簡便さなどから金属熱処理、表面処理の評価や品質管理に広く利用されている。本講演では、表面層の硬さ試験に特に有用なビッカース硬さを中心に、硬さ試験の基礎、硬さ基準片による試験機の管理について解説する。

・14:00~14:55「岡山県工業技術センターにおける熱処理研究への取り組み」築山訓明氏(岡山県工業技術センター)…カーボンニュートラルやSDGsなど、熱処理分野においても環境問題対策への要求が高まっている。本講演では、浸窒焼入れを中心に、同センターの熱処理技術関連の取り組みについて紹介する。

・15:00~15:05「閉会の挨拶」日本熱処理技術協会 教育委員

・15:15~16:15「工業技術センター見学会(希望者・先着20 名)」…工業技術センター見学会では岡山県工業技術センターの熱処理技術に関わる浸窒装置・電気炉・分析・検査装置等を見学する。

kat 2024年6月26日 (水曜日)
kat

メカニカル・サーフェス・テック主催講演会「DLCコーティングの特長と産業応用」

2ヶ月 1週 ago
メカニカル・サーフェス・テック主催講演会「DLCコーティングの特長と産業応用」

 当社編集部は9月27日、東京都八重洲で講演会「DLCコーティングの特長と産業応用」を開催します。

 本講演会では、耐摩耗性(高硬度、耐傷つき性)、低摩擦係数、赤外線透過性、デザイン性、生体親和性…など、母材表面にさまざまな機能を付与できるダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングの特長と、各種特長を活用した自動車、切削工具、腕時計での産業応用について、第一線でご活躍の講師の方々にご講演をいただきます。

主催:株式会社メカニカル・テック社 『メカニカル・サーフェス・テック』編集部
開催日時:2024年9月27日(金)
講演会:13時30分~17時(開場:13時)
交流会:17時~18時30分
会場:TKP東京カンファレンスセンター8階 ホール8E(東京都中央区八重洲1丁目8-16)
参加費用:37,600円(税込み、資料代、交流会参加費含む)

プログラム(予定) ※各講演後に10分間の質疑応答を予定しております
・13:30~14:10 「自動車におけるDLCコーティングの適用」 日産自動車株式会社 平山 勇人氏
・14:20~14:35 DLC関連の計測評価メーカーによるショートプレゼン①
・14:40~15:20 「切削工具におけるDLCコーティングの適用」 三菱マテリアル株式会社 冨永 哲光 氏
・15:30~15:45 DLC関連の計測評価メーカーによるショートプレゼン②
・16:10~16:50 「腕時計におけるDLCコーティングの適用と受託加工への展開」 シチズン時計株式会社 吉田 陸人 氏
・17:00~18:30 交流会
【お申し込み方法】
以下の受付フォームよりお申し込みください。

お申込みはこちらよりお願いいたします(googleフォーム)。 

問い合わせ先
株式会社メカニカル・テック社 TEL:03-5829-6597 E-Mail:info@mechanical-tech.jp

admin 2024年6月25日 (火曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2024年6月号 特集「表面改質最前線」キーテク特集「熱処理②」6月25日発行!

2ヶ月 1週 ago
メカニカル・サーフェス・テック2024年6月号 特集「表面改質最前線」キーテク特集「熱処理②」6月25日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2024年6月号 特集「表面改質最前線」キーテク特集「熱処理②」が当社より6月25日に発行される。

 今回の特集「表面改質最前線」では、PPS樹脂とMID工法の融合により実現した技術の各部材への適用状況について、環境負荷低減と生産性向上を同時に実現する最新の機能性めっきの技術動向について、自動車のエンブレムにレーダー波を通過させる目的で行われる表面処理について、カーボンニュートラルに貢献する急冷焼入油の開発と適用状況について紹介する。

 また、キーテク特集「熱処理②」においては、ガス窒化・軟窒化の雰囲気制御システムと代表的な適用事例について、環境対応塩浴軟窒化プロセスの特徴と適用事例について紹介する。

特集:表面改質最前線

◇PPS樹脂とMID技術の融合などモーションコンポーネントの開発と適用・・・DIC 森 耕太郎 氏に聞く

◇環境負荷低減と生産性向上に寄与する機能性めっきの最新技術動向・・・マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズ・ジャパン 鬼頭 綱道 氏に聞く

◇自動車用樹脂材料の電子的目的のための表面処理技術・・・キーコム 鈴木 洋介

◇カーボンニュートラルに貢献する急冷焼入油の開発と適用・・・出光興産 山本 徹朗

キーテク特集:熱処理②

◇ガス窒化・軟窒化雰囲気制御システムとその適用事例について・・・パーカー熱処理工業 平岡 泰

◇環境対応塩浴軟窒化プロセスの特徴と適用事例・・・HEF DURFERRIT JAPAN ジュリアン グリモ 氏に聞く

連載

現場に行こう!・・・東研サーモテック イノベーション事業部

注目技術:第76回 「トライボロジー会議 2024 春 東京」に見る表面改質研究・・・日本トライボロジー学会会員各社

酒飲み世界紀行:第3回 スロヴァキアのリキュール編・・・横浜国立大学 梅澤 修

トピックス

日本熱処理技術協会 中部支部、第3回熱処理技術コンテスト結果を発表

FPS、第17回岩木賞の業績募集を開始、締め切りは9月30日

HEF DURFERRIT JAPAN、水素関連ソリューション向けにPVDコーティング技術を披露

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admin 2024年6月24日 (月曜日)
admin

三洋貿易、実践講座「トライボロジーの基礎」を開催、7月5日、7月26日の会場・オンライン参加を継続募集

2ヶ月 2週 ago
三洋貿易、実践講座「トライボロジーの基礎」を開催、7月5日、7月26日の会場・オンライン参加を継続募集

 三洋貿易は6月7日、東京理科大学 佐々木信也教授を講師に4回シリーズで開講される実践講座「トライボロジーの基礎」の第1回を開催した。

 いずれも佐々木教授による座学と実演・実習が行われる。第1回目となる今回は「摩擦・摩耗のメカニズム」をテーマに、実学としてトライボロジーを見た場合の制御対象となる課題が①摩擦の制御、②摩耗の制御、③エミッションの制御に大別されることを解説。摩擦のメカニズムについては摩擦表面と真実接触、ストライベック線図、摩擦の潤滑形態について解説した。また、摩耗メカニズムについては①凝着摩耗、②アブレシブ摩耗、③腐食摩耗、④疲れ摩耗の四つにシンプルに分類することで対策が取りやすいとした。摩擦摩耗試験にいついては、その分類(カテゴリーⅠ~Ⅲ)、形態と関連工業標準、今後のDXのための要件としては質の良いデータを多くとることがあり、データの汎用性と信頼性、天のデータから面・空間へ、感性価値の定量化など求められるトライボロジー特性に関する評価・分析装置を使うことが重要、と総括した。

佐々木教授による座学のようす

 

 座学に続いて、三洋貿易の取り扱い製品としてRtec-Instruments製を中心とした摩擦摩耗試験機の性能・特長について紹介、その後、Rtec-Instruments製多機能摩擦摩耗試験機「MFT-5000」を用いたボールオンディスク試験(回転と往復動)の実演・実習が行われた。

多機能摩擦摩耗試験機「MFT-5000」を用いた実習・実演のようす

 

 次回は6月14日で座学は「摩擦材料とその評価方法」で、実演・実習は四球試験とスラストシリンダーオンディスク試験、7月5日の座学は潤滑剤とその評価方法で、実演・実習はリングオンブロック試験とトラクション試験、7月26日の座学は表面改質とその評価方法で、実演・実習はスクラッチ試験とインデンテーション試験、表面形状・粗さ計測。

 三洋貿易では、7月5日と26日の実践講座について、会場参加についても若干の枠があるとして追加募集を行っている。会場参加が難しい場合は、オンラインでの視聴が可能。参加申し込みは、こちらまで。

kat 2024年6月19日 (水曜日)
kat

日本熱処理技術協会 中部支部、第3回熱処理技術コンテストの結果を発表

2ヶ月 2週 ago
日本熱処理技術協会 中部支部、第3回熱処理技術コンテストの結果を発表

 日本熱処理技術協会 中部支部は4月24日、愛知県刈谷市の愛知県技術開発交流センターでの対面参加とオンライン参加によるハイブリッド形式で、「第 14 回中部支部講演大会・第 3 回熱処理コンテスト―結果発表会―」を開催した。

会場のようす

 

 熱処理コンテストは、中部支部が企画したイノベーション活動で、支給された試験片に対して課された要求特性を満たすために、各参加チームが知恵と工夫を凝らして熱処理を施し、優れた要求特性を発現した上位チームに賞を授与するもの。今回で3回目となる。

 この企画は、鋼の熱処理技術を良い意味で楽しみながら、熱処理によって得られるさまざまな強度を比較、競争することで、①熱処理技術に関する学び、②失敗の共有によるイノベーション促進、③熱処理技術者の人材交流活性化につなげることを目的としている。

 毎回、競技内容と規定が変更になるが、今回の課題は以下のとおり。

 各1チームにつき、SS400生材の硬さ試験片を3個支給、それら試験片について、ロックウェル硬さ(HRC、試験荷重150kg、1点(上位5チームについては追加測定し3点平均)のビッカース硬さ換算値①と、ビッカース硬さ(HV、試験荷重300g、3点平均)で測定した硬さ②の値の合計が最も大きくなるよう熱処理等を実施し、試験片1個を事務局に提出。事務局にて硬さ試験を実施し、①のビッカース硬さ換算値と、②の値の合計で順位を競う。

 ルールなどは以下のとおり。
・熱コンのロゴの刻印がある支給した試験片のみ使用可とする
・熱処理等は自由とする
・試験片の厚さの寸法変化が±0.1mmの範囲内であれば、ショットブラスト、表面硬化処理、コーティング、平面研磨も可とするが、全周面取りの状態を維持すること
・熱コンのロゴの刻印が処理後も判別できるようにすること
 今回の第3回熱処理コンテストでは全31チームが参加、31チームの試験片は測定する表面の熱コンのロゴは全チーム残存、裏面の熱コンロゴも全チーム残存でチーム名の記載もあり、不合格者はなかった。

全31チームの試験片

 

 全31チームの試験片の硬さ試験を実施した結果、硬さの総合順位で優勝には3522HV(3117HV+41.2HRC)の硬さを実現したアイコクアルファの「楽ラク熱処理チーム」が、準優勝には3212HV(2434HV+63.1HRC)の硬さを実現したDOWAサーモテックとDOWAサーモエンジニアリングの「DOWAサーモテックチーム」が輝いた。また、硬さの総合順位では2145HV(1130HV+70HRC)と10位だったものの、ロックウェル硬さで1位、被膜・コーティングなしで1位、学生・企業合同チームで好成績を収めたという理由から、特別賞として鈴鹿工業高等専門学校とトヨタ自動車の「鈴鹿高専×トヨタ自動車チーム」が選ばれた。受賞チームの詳細は以下のとおり。

優勝:「楽ラク熱処理チーム」(アイコクアルファ)

・硬さ:3522HV(3117HV+41.2HRC)

・処理方法:①950℃浸炭焼入れ(油冷)、②800℃浸炭窒化焼入れ(油冷)、③N+Sコーティング

・受賞コメント:「熱処理コンテストへの参加は今回で3回目となり、初めて優勝でき、うれしく思う。今回のコンテストでは「硬さ」を競うこととなり、表面強化の手段として浸炭焼入れなどの熱処理に加え、物理蒸着(PVD)コーティングも有効だろうと考えた。当社は冷間鍛造を強みとしてCVJ内輪やAT用サンギヤを一貫生産しており、金型や工具のコーティング処理で培った技術を生かすことができるのではないかと話し合いを行った。サンプル作成まで数パターンのPVD膜種を試す一方、PVD処理の温度設定により素材が軟化されてしまうことが分かったため、炭化物析出や窒素固溶等で素材の改善を狙い試行錯誤を重ねた結果、ビッカース硬さで勝負すると腹を決め、最終的には浸炭窒化後にPVD処理を施したサンプルを提出した。熱処理コンテストでは、量産で扱わない材料に触れ、さまざまな処理にチャレンジできる学びの機会であり、次回も優勝を目指し、強い意志をもって諦めずに技術を磨いていきたいと思う」。
 

「楽ラク熱処理チーム」(アイコクアルファ)の授賞式のようす

 

準優勝:「DOWAサーモテックチーム」(DOWAサーモテック+DOWAサーモエンジニアリング)

・硬さ:3212HV(2434HV+63.1HRC)

・処理方法:①945~930℃浸炭焼入れ(130℃油冷)、②1000℃浸炭(炉冷)、③1085℃TD処理、④500℃ PVD処理、⑤820℃焼入れ(60℃油冷)

・受賞コメント:「TDプロセス・PVDコーティングといった表面処理は最低でも400℃程度まで温度を上げる必要があるが、この温度上昇による内部硬さの低下を避けるため、通常は表面処理前に行う焼入れを全表面処理後に実施し高いロックウェル硬さを実現。また、通常10μm程度の厚さを鋼材中の炭素量の調整で20μm程度まで厚くできたことで、300gのビッカース硬さ試験荷重でも硬質層の硬さのみが反映され高いビッカース硬さを実現できた。SS400は合金元素をほとんど含まないため焼入れによる硬化にはある一定以上の炭素が必要な一方、TDプロセスは鋼材中の炭素を消費し硬質層を成長させるため最終工程の焼入れ時の炭素量不足が懸念された。炭素量不足にも対応できる水焼入れを予定し実際に実施したところ激しい体積変化のため硬質層にクラックが発生、硬質層の硬さが低下する結果になった。これを受け、浸炭処理条件を変更しTDプロセス後でも十分な炭素が鋼材中に残存するよう調整、クラック発生を抑制できる油焼入れの採用を可能とし、両硬さの両立に成功した。一つ一つのプロセスは既存のものでも、それらの組み合わせでこれまでなかった物性を実現できるという、熱処理/表面処理の奥深さを実感できた。今後も未知の領域へのチャレンジを重ね、新たな領域を切り拓いていきたい」。
 

「DOWAサーモテックチーム」(DOWAサーモテック+DOWAサーモエンジニアリング)の授賞式のようす

 

特別賞「鈴鹿高専×トヨタ自動車チーム」(鈴鹿工業高等専門学校+トヨタ自動車)

・処理方法:1300℃焼きなまし、②970℃真空浸炭焼入焼戻し(油冷)、③-195℃サブゼロ、④ショットピーニング(2段)

・受賞コメント:「我々が重視したのは‟学生・企業の両者が持つ強みを生かす”という点。学生側は専門教育による学術的知識、企業側は量産現場で培われた業務遂行能力と熱処理の知見といった両者の強みを理解し、対等な立場で議論することでお互いに新たな視点で考察することができた。また熱コンを‟各々が学んできた知識を生かす場”として捉え、愚直にトライ&エラーを積み重ねたことで、焼入硬さという結果だけでなく熱処理への理解を深めることにもつながった。教科書や量産現場では見たことのない題材にチーム一丸となって取り組んだことで、熱処理技術を教科書から学ぶだけの「知識」ではなく、実践することのできる「知恵」として身に付けられたと実感している。実際の活動では短期開発で、かつ離れた拠点間の協業というハードルに対して、日程・検証項目・TPの状態をスプレッドシートで一元管理し、抜け漏れや手戻り無く検証を進めることができた」。
 
 

「鈴鹿高専×トヨタ自動車チーム」(鈴鹿工業高等専門学校+トヨタ自動車)の授賞式のようす

 

kat 2024年6月18日 (火曜日)
kat
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39 分 47 秒 ago
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