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SEMICON Japan 2024

 

エボニック、再生可能原料由来のイソホロン製品群を発表

 エボニックはアセトンの新たな再利用方法を模索する中でイソホロン化学を発明して以来、世界中の工場でさまざまなイソホロンを出発原料とした製品を開発してきたが、このほど100%再生可能なアセトンを原料とする世界初の持続可能なイソホロン製品を開発した。

 

エボニック 100%再生可能なアセトンを原料とする世界初の持続可能なイソホロン bmt ベアリング&モーション・テック
100%再生可能なアセトンを原料とするイソホロン

 

 同社では再生可能なアセトンを使用することで、イソホロンの製造プロセスにおいて、CO2排出量を大幅に削減したイソホロンベースのeCOシリーズ製品を提供。イソホロン「VESTASOL® IP eCO」(ベスタゾル IP eCO)、イソホロンジアミン「VESTAMIN® IPD eCO」(ベスタミン IPD eCO)、イソホロンジイソシアネート「VESTANAT® IPDI eCO」(ベスタナートIPDI eCO) のブランド名で発売される。

 同社クロスリンカーズ部の責任者を務めるクリスチャン・シュミット氏は、「このeCOシリーズは、サステナビリティと環境規制の課題に取り組む顧客に貢献するとともに、エボニックは新しいビジネスチャンスを広げる」とコメントしている。

 eCOシリーズ製品は化石由来の製品と化学的に同じ組成を持ち、加工、配合、性能の面で同じ特性を有する。従来のイソホロン製品と比べeCO製品は、地球温暖化係数(GWP)やCO2 排出量を大幅に削減できる。例えば、VESTANAT® IPDI eCOは、マスバランス方式によると75%の再生可能炭素から構成される。

 シュミット氏はまた、「新しいVESTA eCOシリーズは気候中立に向けた第一段階で、次のステップとしては、2022年中に当社のI-Chain製品群の全製品に関するライフサイクル分析を更新し、顧客に信頼性の高いカーボンフットプリントに関する情報を提供、明確な削減オプションを示す予定だ」と語る。

 マスバランス方式とは生産工程におけるインプットとアウトプットのバランスを管理する手法で、この手法を用いることにより再生可能なアセトンの購入量と持続可能な最終製品の一致が保証される。全工程が、国際的に認められたISCC(国際持続可能性カーボン認証)とREDCert規格(欧州再生可能エネルギー指令“RED”に基づく品質認証スキーム)という独立した機関による監査と認証を受け、生産の全段階における再生可能資源の利用を実証する。

 同社は厳格な帳簿の管理と外部監査に基づくマスバランス方式により、使用された再生可能な原料を追跡しながら、大規模生産を行い、顧客に費用対効果の高いソリューションを提供できる。

 VESTA eCOグレードはその機械的強度、耐久性、耐薬品性、優れた接着性、低CO2排出量により、最新のコーティングシステムの塗料、ラッカー、バインダーなどの生産において、持続可能な原材料として使用できるよう設計されている。また、風力発電のブレードや高品質なダッシュボードやトリムの製造に使用する自動車内装用の高性能複合材料、さらには最新の化学合成技術にも適している。