メインコンテンツに移動
SEMICON Japan 2024

 

NTN、軸受の新生産拠点・和歌山製作所が本格稼働開始

 NTNがベアリングの新たな生産拠点として和歌山県橋本市に設立した和歌山製作所が、本格的に稼働を開始した。今後は、国内におけるボールベアリングとベアリングユニットの主力工場の一つとして、高付加価値商品の生産を通じて需要の増加が見込まれるEV(電気自動車)に対応するとともに、供給力の強化による補修事業の販売拡大に取り組んでいく。

NTN 和歌山製作所 bmt ベアリング&モーション・テック
和歌山製作所


 10月12日に開催した落成式には、和歌山県の下 宏副知事、橋本市の平木哲朗市長をはじめ、地元関係者が出席し、テープカットを行った。下副知事から「従業員の(橋本市などへの)移住や関連企業の誘致による地域への経済効果に期待している」との挨拶がなされたほか、同社執行役社長の鵜飼英一氏が「世界中のNTNグループの生産拠点の模範として、当社の未来、そして和歌山県や橋本市への地域貢献につながる工場にしていく」と意気込みを語った。

 和歌山製作所は、同社が目指すスマートファクトリのコンセプトを基に「NTN STAR WORKS WAKAYAMA」と愛称を付けており、今後はスマートファクトリの実践工場として、「整流化」「自動化・自律化」「ハイレスポンス」の実現を目指していく。現在は、在庫など各種データの「見える化」や無人搬送車などによる工程間搬送の自動化、自動倉庫からの出庫データを用いた生産計画の自動生成など省人化や自動化により、生産効率の向上に取り組んでいる。「STAR」には、同社が目指すスマートファクトリの以下のコンセプトが込められている。

・「ST」…「Streamlining:整流化」:モノの流れを見直して自社工場だけではなくサプライチェーン全体の整流化を目指す

・「A」…「Autonomous:自動化・自律化」:人による作業の自動化・自律化により、生産効率化とコスト低減を図る

・「R」…「High Response」:変化の激しい市場環境に素早く対応する

 「STAR」という言葉にはまた、事業分野における頂点(スター)を目指すという思いも込められている。

 同社ではさらに、環境にも優しい工場としてCO2フリー電力を100%採用するほか、電熱式熱処理の採用、敷地内に設置した「N3エヌキューブ」や「NTNグリーンパワーステーション」による太陽光パネルや風車から発電した再生可能エネルギーの活用など、積極的にCO2削減の取り組みも進めている。