日本精工(NSK、 http://www.jp.nsk.com )は、農業機械の静油圧式無段変速機構(HST)に使用されるスラスト玉軸受として、従来比2倍以上の長寿命を実現した「長寿命高信頼性保持器付きスラスト玉軸受」を開発した。同品により2016年にHST用途のスラスト玉軸受の売上として10億円を目指す。
HSTは、油圧ポンプと油圧モータを組み合わせた静油圧式無段変速機構。油圧ポンプのピストンに接する斜板の角度を変化させることによって、変速を行なう。このピストン摺動部面にスラスト玉軸受が使用される。
今回開発した製品は、内部疲労に強いEP鋼を内外輪に採用、加えて表面疲労に強い特殊熱処理を内外輪と玉に施すことで過大荷重による剥離を防止した。また、繰り返し応力に強い材料のプラスチック製保持器を用いることで、偏荷重による保持器の破損を防ぐなど製品の信頼性を高めた。