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日本滑り軸受標準化協議会、第40回総会を開催

 日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は3月27日、東京都千代田区のTKP 東京駅セントラルカンファレンスセンターで「2024年度 第2回総会(通算第40回総会)」を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った持丸昌己会長(オイレス工業)は「一昨年の総会で収入より支出が多いため“この会は大丈夫ですか”という質問があった。昨年は経済産業省からの支援の金額が増加したため、ドイツのISO/TC123(平軸受)国際会議に10名ほど派遣したがPBSAで支援する金額が抑えられた。したがって、それほど大きな支出にはならなかった。今年も韓国でISO/TC123国際会議があるため、日本から10名もしくはエキスパートを含めるともう少し多くなるかもしれないがPBSAで支援を行う。今後の具体的な費用削減の内容としては、後ほど説明があると思うが、年次報告書の印刷をやめてデジタル化する、また毎年3月と6月に開催している総会の1回をオンライン上で行う」と述べた。

挨拶をする持丸会長
挨拶をする持丸会長

 続いて前回議事録の確認を行った後、日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会 委員長の片桐武司氏(大同メタル工業)が挨拶に立ち、「今年度は経済産業省の標準化テーマの3年目にあたる。昨年は水潤滑用の軸受材料の国際規格が9月に発行された。軸受の廃棄・リサイクルの国際標準化については7月に国際規格の発行となった。3年間の計画が順調に進んだ。国内委員会への支援は経済産業省からあったが、それを補完する形でPBSAに支援していただいた。来年度は韓国での国際会議があるためそちらの支援もお願いしたい」と述べた。

挨拶をする片桐委員長
挨拶をする片桐委員長

 総会ではまず、日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会の2025年度の活動計画について監事の山田 晃氏(大豊工業)が、静圧気体軸受用語に関する国際標準化(プロジェクトリーダー:冨田博嗣氏(オイレス工業))を3年間かけて開発を行うこと、今年度は同標準化についてNP投票まで進める計画であること、本年10月29~31日に韓国・栄州市で開催されるISO/TC123国際会議に参加することなどについて報告した。

報告を行う山田氏
報告をする山田氏

 続いてPBSAの2024年度の活動報告と2025年度の活動計画について、会計を務める橋爪 剛氏(オイレス工業)より報告がなされ、2024年度の活動報告として、2024年6月と2025年3月に2回の総会が開催されたこと、今年度をもって本田技研工業が退会すること、昨年11月にドイツ・ベルリンで開催されたISO/TC123国際会議の旅費などをPBSAが支援したことなどを報告し、さらに2024年度会計報告がなされた。2025年度の活動計画としては、第1回総会(通算第41回総会)を本年6月に、第2回総会(通算第42回総会)を2026年3月に開催し、第1回総会をオンライン上で開催することや理事会を必要に応じて開催する予定であることなどを報告した。また、本年10月に韓国で開催されるISO/TC123国際会議の支援や、日本機械学会ISO/TC123平軸受国内委員会活動の支援、第2回総会で講演会を開催することなどを報告した。

報告を行う橋爪氏(左)
報告をする橋爪氏(左)

 総会終了後には、「鉄道分野における国際標準化活動」と題して、鉄道総合研究所 鉄道国際規格センター センター長の北川敏樹氏による特別講演が設けられた。講演では鉄道分野における国際標準化を取り巻く状況や鉄道総研における国標準化活動への取り組み、IEC/TC 9・ISO/TC 269における国際標準活動などについて解説した。まとめとして、増加傾向にある規格開発に適切に対応するとともに日本発の規格提案を継続すること、鉄道業界全体で海外ビジネス展開に向けて国際規格や認証などに関わる活動の推進が必要であることなどを挙げた。

講演をする北川氏
講演をする北川氏