NTNは、コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモエコパワーと、5月7日付でNTNとして初となるバーチャルPPA(発電量に応じた環境価値のみを直接購入する契約)を締結した。
コーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)とは需要家が発電事業者から直接再生可能エネルギーを購入する契約形態だが、このうちバーチャルPPAとは、需要家が自らの敷地外に設置された再生可能エネルギー発電所から、物理的な電力ではなく、その環境価値のみを調達する契約形態を言う。
本PPAの対象となる発電所はコスモエコパワーが運営する中紀ウィンドファーム(和歌山県広川町、日高川町、有田川町にかかる白馬山脈尾根部の風力発電所)で、2021年4月に商業運転を開始し、NTNも事業を展開する関西エリアへ電力を供給している。
稼働する風力発電機には、NTNのベアリング(軸受)のほか、運転状況の監視や予防点検などへの活用を目的とした状態監視システム(CMS:Condition Monitoring System、風力発電装置のナセル内のドライブトレイン(主軸、増速機、発電機)にセンサーを取り付け、振動などのデータを収集し、ベアリングや歯車の異常を早期に検知するシステム)「Wind Doctor®」が採用されている。
コスモエコパワーにとっても、発電機の部品供給元とPPAを結ぶのは初めてのケースとなる。

本PPAによりNTNは、中紀ウィンドファームで生み出される年間約1000万kWh相当の環境価値(非化石証書)を今後16年間にわたって受け取り、年間約4200t(約1700世帯分)のCO2排出量を削減できる見込み。
NTNとコスモエコパワーは、ともに長年にわたって日本の風力発電を支えてきたパートナーとして、今後もカーボンニュートラル社会の実現に向け、互いの取り組みを加速していく。
