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SEMICON Japan 2024

 

NTN、自動車用の高負荷容量と高速回転円すいころ軸受を開発

 NTNは、軸受内部設計の最適化により、世界最高水準の高負荷容量と高速回転性能を実現した「自動車用ULTAGE(アルテージ)円すいころ軸受」を開発した。自動車用トランスミッション、デファレンシャル、アクスル支持用円すいころ軸受として販売活動を進めていく。
NTN円錐ころ

 自動車用の円すいころ軸受は、トランスミッションやデファレンシャルの動力伝達部などに使用され、自動車の高出力化に伴う負荷の増加や、軽量化されたハウジングの剛性低下に伴う偏荷重の増加など、近年過酷さを増す使用条件に対応できる高い荷重負荷能力が求められている。また、省燃費化と高効率のための低トルク、低昇温による高速回転性能も必要とされている。

 今回開発された「自動車用ULTAGE円すいころ軸受」は、大形円すいころ軸受で採用した、転がり疲労寿命を最大化する円すいころ形状の最適設計技術を新たに小形シリーズ向けに改良適用することで、高負荷や偏荷重が作用する場合でも転動体(ころ)と軌道輪(内外輪)の接触面圧を均一に形成でき、軸受の潜在寿命を最大限まで引き出すことを可能にした。

 この最適設計によって本開発品は、従来品と比べ1.3倍の高負荷容量を実現。軸受定格寿命は2.5倍以上に向上している。また、ころと内輪および保持器とのすべり接触部も形状を最適化することで許容回転速度が約10%向上し、世界最高水準の高負荷容量と高速回転性能を実現している。

 さらに、独自の特殊熱処理加工を組み合わせることで、耐焼付き性に優れ、軸受定格寿命を従来品比で3.8倍以上に向上させた、異物混入など過酷な潤滑条件にも対応できる高機能タイプも開発した。

 同社では、自動車用途にニーズの高い軸受外径150mm以下の小形円すいころ軸受シリーズを本開発品に置き換え、グローバルで販売活動を進めていく。
NTN円錐ころ図