イグス・ドイツ本社は、ローコストオートメーション(LCA)事業拡大のため、ロボット業界の革新的企業であるドイツのCommonplace Robotics社の株式の過半数を取得した。同社の直感的なソフトウェアと、イグスの高機能ポリマー製可動パーツを組み合わせることで、オートメーションにおけるシンプルなソリューションを実現していく。
Commonplace Roboticsは、直感的な制御システム、ソフトウェア、ロボット用パワーエレクトロニクスを専門とし、産業界・教育界向けに製品やサービスを提供する企業。クリスティアン・マイヤー氏によって11年前に設立された。“ロボットの統合と運用を低コストかつシンプルにして、ロボットを一般に広く普及させる”という同社のコンセプトが、イグスの産業用LCA製品と合致し、両社は2016年以降、イグス ロボットコントローラ(iRC)、アクチュエータ、ReBeLロボットアームなどの共同開発を行ってきた。ファームウェアやソフトウェアから、スイッチキャビネット構築や回路基板の組み立てまで対応するCommonplace Roboticsの高度な垂直統合は、新規開発の迅速な実現を可能にしている。
今回の株式取得により、イグスとCommonplace Roboticsは、互いの革新的な技術の強みを組み合わせることになる。Commonplace Roboticsは、イグスとの技術プロジェクトに大きな期待を寄せており、同社にはイグスのローコストロボット用オンラインプラットフォームRBTXを通じて、日々様々な業界の顧客からの要望が届いている。今回の投資を機に、同社はさらに技術を拡充させて、そうした要望の多くに、より迅速に対応できることになる。
両社による最新製品は、制御システムが装備可能なロボットアームReBeLで、個別部品としても購入可能なアクチュエータは、イグスのノウハウを活かしたギヤボックスと、Commonplace Roboticsのパワーエレクトロニクス、ソフトウェアの技術を統合している。4自由度または6自由度を持つReBeLは、(6自由度の場合)可搬重量が最大2㎏で可動範囲は664mm、正味重量はわずか10㎏。品質管理やピック&プレースといった従来の機械工学分野だけでなく、レストランオートメーションや都市型農業といった新しい分野からの要望や注文も多くなっている。