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第9回ものづくりワールド名古屋

 

ハイウィン、新本社・工場の稼働を開始

 ハイウィンは11月1日、新本社(神戸市西区区井吹台東町7-4-4)の稼働を開始した。新本社は敷地面積約7500坪(約25000m2)、西神南ニュータウンに隣接する「神戸サイエンスパーク」内に建設された。本社機能に加え、従来から国内で実施していたボールねじやリニアガイドウェイ、単軸ロボットの二次加工生産能力を約2倍に増強するほか、クリーンルームを備えており、システムやモジュールの生産を行う。またロボットや自動化ライン向けのビフォーサービスとしてユーザーの実製品で検証してよりスピーディにライン化を行うサポートをするほか、作業従事者への教育やロボットの操作資格の取得が可能なエデュケーション・トレーニングセンターやR&D部門を新設する。

ハイウィン 新本社の外観 bmt ベアリング&モーション・テック
新本社の外観

 

 進化するスマートファクトリーへの対応という課題においては、従来製品に加えて、ロボットやシステム、モジュールに対する要望が高まっている。これに対し同社では、進化した工場機能を備えた新本社において、各種部品やモジュール、システムの新製品やラインアップを充実させていく。多様化するユーザーニーズに対しワンストップ・ソリューションの提案ができる強みを活かし、それらニーズへの迅速な対応やメンテナンス機能の強化などを図っていく計画だ。

 稼働開始の11月1日には、工作機械メーカーや半導体製造装置メーカーをはじめとするユーザー企業や販売店などを招いての「新社屋落成記念式典」が開催された。

 式典ではまず、会社紹介の動画が上映された後、台湾本社会長の卓 文恒氏が挨拶に立ち、「新しい技術の開発には3年を要し、その技術の普及には30年を要するという言葉があるが、日本法人は1999年に設立され、この23年の間に日本市場においてその技術が高く評価され邁進を続けている。新工場の稼働により、さらなるイノベーションと高付加価値をユーザーに提供していきたい」と述べた

ハイウィン 挨拶する卓 文恒氏 bmt ベアリング&モーション・テック
挨拶する卓 文恒氏

 

 来賓挨拶ではオークマ社長の家城 淳氏が、「ハイウィンとは(日本法人設立前の)約30年前にボールねじ提供の提案をいただいた。開発の熟成された提案ではあったが、重要な要素部品であるボールねじの採用にあたっては慎重をきたす必要があり、また、当社が実証主義をモットーとしていることから、中堅技術者であった私を含めた当社の技術陣が提案されたボールねじについてじっくりと検証を重ね、製品認定を経て当社の旋盤に採用されるに至った。現在では旋盤だけで約10倍に採用が拡大、当社マシンの負担を減らしていただいている。工作機械業界もまた、労働人口減少への対応や作業環境の改善、脱炭素社会の実現といった社会課題解決に努めているが、そこでは基板技術であるハイウィンの精密部品・モジュールも重要な役割を果たすことになる。次世代ものづくりの使命をともに担っていこう」と述べた。

ハイウィン 挨拶する家城 淳氏 bmt ベアリング&モーション・テック
挨拶する家城 淳氏

 

 また、日本法人の会長を務める蔡 惠卿氏が「私は本年より会長を務めることになったが、1999年の日本法人設立の時から日本企業との交流を始めている。本日から稼働する新社屋でも、すべての工程に携わり、子供のころから深い憧れのある日本の文化・日本ならではの要素を建築物の隅々に取り入れた。また、エントランスに設置したシンボルツリーで表現しているように、日本法人がユーザーとともに成長し続けることを願っている」と語った。

ハイウィン 挨拶する蔡 惠卿氏 bmt ベアリング&モーション・テック
挨拶する蔡 惠卿氏

 

 その後、台湾と日本のエンジニアリングチームの演出による「ロボットアームショー」が実施され、垂直多関節ロボット3台がヴィッセル神戸の応援歌に合わせてテンポよく力強くしなやかに舞った。

ハイウィン ロボットアームショーのようす bmt ベアリング&モーション・テック
ロボットアームショーのようす

 

 続いて、垂直多関節ロボットを含む10名によるテープカットが行われた。

ハイウィン テープカットのようす bmt ベアリング&モーション・テック
テープカットのようす

 

 当日はまた、常設となるショールームにおいて、ボールねじ、リニアガイドウェイ、クロスローラーベアリング、波動歯車装置などの機械要素部品や、ACサーボモーター、ダイレクトドライブ(DD)モーターなどのメカトロ製品、精密位置決めに関する機器やステージの静展示の見学会や、超薄型DDモーター+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システムなどの自動化・省力化に関する機器やモジュール製品、ウェハ搬送ロボット、スカラロボット、垂直多関節ロボットなどの産業用ロボットの動展示の見学会が行われた。

ハイウィン 静展示例:状態可視化システム搭載のボールねじとリニアガイドウェイ「i4.0シリーズ」 bmt ベアリング&モーション・テック
静展示例:状態可視化システム搭載のボールねじとリニアガイドウェイ「i4.0シリーズ」


 

ハイウィン 動展示例:超薄型DDモーター「DMT」+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システム。DMTの中空径にウェハを通すことで効率よい検査が行える bmt ベアリング&モーション・テック
動展示例:超薄型DDモーター「DMT」+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システム。DMTの中空径にウェハを通すことで効率よい検査が行える