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SEMICON Japan 2024

 

ロボット関連団体、2023新年賀詞交歓会を開催

 日本ロボット工業会、製造科学技術センターなどロボット関連団体は1月6日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2023年ロボット関連団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は代表して日本ロボット工業会の山口賢治会長(ファナック社長)が挨拶に立ち、「国際通貨基金の世界におけるGDP見通しでは、2021年の成長率6.1%から、2022年には3.2%、2023年は2.7%にまで減速するという、世界経済の減速懸念の中で新年を迎えた。こうした中、2022年の我が国ロボット産業は半導体をはじめとする部品不足や中国でのロックダウンの影響などは見られたものの、国内外ともに自動化投資意欲に支えられ、受注額で対前年度比2.9%増の約1兆1100億円、生産額は同5.5%増の9910億円が見込まれている。また、2023年の受注額は様々な問題が徐々に改善されることを期待するとともに、堅調な自動化投資意欲に支えられ、受注額は同3.6%増の約1兆1500億円、生産額は初の1兆円越えとなる同6.3%増の1兆500億円という見通しを立てた」と挨拶。続いて、ロボット関連2団体の2023年の活動計画について報告した。

ロボット関連団体賀詞交歓会2023 挨拶する山口会長 ファナック bmt ベアリング&モーション・テック
挨拶する山口会長

 

 日本ロボット工業会の活動としては、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に続き以下の3点を重点分野として取り組む。

・市場拡大に向けた取組み:ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会との連携のもと、市場拡大に向けた役割を積極的に担っていく。ロボットの利活用推進にとってシステムインテグレーター(SIer)の役割は極めて重要。当工業会の特定事業委員会で設立5年目を迎えるFA・ロボットシステムインテグレータ協会は、SIer業界の経営基盤や事業環境の向上、専門性の高度化に向け活動の一層の充実を図り、組織的にさらなる発展を目指す

・イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進:グローバル市場での日本の優位性確保や潜在市場の顕在化のためにもイノベーションの加速は急務で、日本ロボット学会などの関係学会や関連業界との連携を図っていく

・国際標準化の推進と国際協調・協力の推進:国際標準化は欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、日本もリーディングカントリーとして官民挙げて国際標準化活動に積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動と国際交流を積極的に進めていく

 2023年はまた、5月31日~6月2日開催の「第24回 実装プロセステクノロジー展」、11月25日~12月2日開催の「2023国際ロボット展」の二つの展示会について、コロナ禍以前の状況での開催を目指し実施する。両展を通じて技術情報の発信とともに、様々な分野でのロボット利用拡大に向けた提案、市場調査、技術深耕などを意欲的に行う。

 製造科学技術センターでは、ロボット、IoT、ものづくりなどにおける製造科学技術全般の調査・研究や標準化に取り組んでおり、2023年は以下のとおり活動する。

・ロボットとものづくり関連の取組み:人とロボットの主課題・情報の相互作用を加味する革新的な協業形態である「合業」を提唱し新たな生産手法の確立を目指しているほか、将来のロボットの標準化の在り方について調査・研究を行っている

・オートメーション関連の取組み:企業間を含めた生産システムの連携手法、経営情報、現場情報に加え、脱炭素情報を含めた「製造の見える化」、さらにはクラウドを活用した中小企業における工場のIoT化促進などの活動を実施している。2月3日にはこれまでの成果を発表する「IAFフォーラム」をハイブリッド開催する

・標準化活動:スマートマニュファクチャリングおよびDXに関する産業データの標準化を扱うISO/TC 184/SC 4の総会をコロナ禍での準備中断後、3年越しの努力の結果、国内審議団体として浜松で開催した。またSC5では、デジタルツイン、ソフトウェアシステムの連携や制御に関するデジタルデータの流通、活用の促進に関する日本の提案が大幅に採択された

 製造科学技術センターは日本のものづくりの横断的な課題に応えつつ、ものづくり企業の競争力と活力の創成に努めていく。