THKは、微細・微小なワークの高速搬送に適した、電子部品業界向けピック&プレースロボットの小型ヘッドモデル「PPR2-LR」の受注を開始する。

ピック&プレースロボット「PPRシリーズ」は、微細・微小なワークを吸着し、ベースへの移載や組立を素早く正確に行うためのロボット。昇降や回転といった基本的な動作に加え、ワークに掛かる力を測定する力センサをはじめとする各種センサ、電磁弁、制御モジュールなど、ピック&プレースに必要な要素をすべて取り揃えている。
これまで展開していた空圧ユニット一体モデル「PPR-LR」と比較して、小型ヘッドモデルPPR2-LRは、ヘッド部分の体積を33%削減し、よりコンパクトな設計としたため、スペースの問題でこれまで搭載できなかった装置にも導入が可能となるほか、新機構によりシャフト先端の軸振れ精度を5μm以下とさらに高精度化した。
近年、スマートフォンやタブレット、ウェアラブル機器、車載カメラなどの小型電子機器に対する需要が急速に高まっており、これに伴い多機能化・小型化が進んでいる。しかし部品の小型化により搬送中にワークが壊れやすくなる、あるいは、接触検知の精度を高めることで搬送速度が低下してしまう、といった課題があった。
これに対しPPRシリーズでは、独自の力センシング技術によりワークをダメージから守るとともに、統合制御による制御時間の削減によりサイクルタイムの短縮を実現する。
小型ヘッドモデルPPR2-LRの特長は以下のとおり。
・ワークダメージの低減(最小検出0.15N):独自の力センシング技術により、ノズルとワークの接触を高精度に検出する
・サイクルタイムの短縮(通信周期100μs):各モータ、センサを統合させたシーケンス制御が可能で、従来の制御に比べ通信回数が減り時間ロスを最小にする
・軸振れ精度の高精度化(軸振れ精度5μm以下):アライメント調整時の補正量を最小化し、ワーク設置精度の向上に貢献する
・コンパクトな設計(体積比33%ダウン、積層ピッチ幅15mm):これまでの空圧ユニット一体モデルと比較し、ヘッド部分を薄型・コンパクトに設計することで、単位面積当たりの生産性向上を実現する

THKでは、「これからも独自の新製品開発を通して、あらゆる分野の自動化、省力化需要に応え、生産性向上、工程改善のためのソリューションを提案していく」とコメントしている。