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ブレイブラ、保持器なしアンギュラ型自律分散式転がり軸受 量産対応を開始

 ブレイブラ(https://breybra.com)はこのほど、空スペース(http://coo-space.comhttps://breybra.com)の協力のもと、7902サイズ(内径15mm×外径28mm×幅7mm)のアンギュラ自律分散式転がり軸受「ADB」の生産を新たに開始した。これまでの自転車向けやスケートボード向けなどに加えて、一般産業機械向けにADBを拡販していく狙いで、ブレイブラでは、現状は月産1000個程度の生産を目安としているが、要望に応じて生産体制を拡張可能としている。まずは、月100個程度のコンスタントな売り上げを目指す。

ブレイブラ 7902サイズのアンギュラADB bmt ベアリング&モーション・テック
7902サイズのアンギュラADB


 

 空スペースが考案し特許を保有する自律分散式転がり軸受(Autonomous Decentralized Bearing、ADB)は、ベアリングの常識であった保持器を完全に排除し、外輪に設けられた特殊な「分散起点」と呼ばれる凹部により回転時に球同士が非接触になる次世代のベアリング技術。

 保持器なしで球同士の非接触回転が可能になったことで、多くの球を充填することができ、従来ベアリングでは実現が難しいレベルの低摩擦・超高速回転、耐荷重性能、潤滑フリーと長寿命を実現する。

 ブレイブラは2022年に設立、それまで市販ベアリングの改造で販売対応されていたADBについて、空スペースの協力のもとで初めて608サイズ(内径8mm×外径22mm、幅7mm)のADBの量産化に成功。以降、スケートボード用や競技ヨーヨー向け、自転車向けなどでADBの適用を進めてきた。

 自転車向けADBの開発をユーザーと協力して行う中で7902サイズのADBを完成し、今回、量産に踏み切ったもの。

 30km程度のロードレースにて4%以上の記録更新を達成しているが、ブレイブラでは、同ADBがモーターなど一般機械産業用途に対しても広く適用できるものと見て、一般販売へと進むことを決めた。

 ADBの分散機構を安定して機能させるために、外輪は深溝玉軸受と同様の形状のままアンギュラ化したベアリングとなっており、素材は内外輪ステンレス、ベアリング球としてステンレスを用いたタイプと、ベアリング球として窒化ケイ素を用いた高性能グレードの、二つのタイプを用意。シールドは非接触ゴムシールを採用している。

 ステンレス鋼球品は3500円、セラミック球品は4400円で、1個からの注文に対応。また本製品と同形式のADBについて、外径12~40mmまでの注文を最小ロット400個から対応している。

ブレイブラ アンギュラADB bmt ベアリング&モーション・テック
アンギュラADB

 

 ブレイブラの内藤雅仁社長は、「少しでも性能や耐久性を求める用途に窒化ケイ素のタイプを検討いただきたい。また、数量やコスト重視の用途であればステンレス球タイプが最適で、十分な性能を提供できると考えている」と述べ、今後の展開などについては、「今回発売を開始した7902サイズに限らず、広いサイズ帯にわたりADBの提供が可能で、用途に応じた製造対応も可能となっているので、軸受で課題を抱えているユーザーなどからの相談をお待ちしている。ADBの低抵抗、高速回転、高耐久性を実感していただき、広く技術や社会の発展に寄与できれば幸い。サイトでは1個からでも気軽に購入できるようになっているので、まずはお試しいただければと思う」と語っている。
 

ブレイブラ 内藤氏 bmt ベアリング&モーション・テック
内藤氏

 

 また、空スペースの河島壯介社長は、「内藤社長は、ADBの本質を良く理解し、今までさまざまな機種での製造にチャレンジし成果を上げてきたが、今回の対応範囲の拡大によって設備用途などで成約されることを期待している。また、ホームページなどでADBを分りやすくPRしていただいており、感謝している。保持器なしでボールを分散させる技術により摩擦の大幅低減による機械装置の省エネ・損傷対策が図れ、ボール数の増加によって耐荷重性付与や省スペース化が図れるADBは、各種産業におけるボトルネックを解消し、日本の産業競争力の向上に寄与できる。引き続き、ブレイブラとの協業のもと、日本の産業競争力増強に向けて多くの利点を有するADBの普及を進めていきたい」とコメントしている。
 

ブレイブラ 空スペース河島氏 bmt ベアリング&モーション・テック
河島氏