日本ベアリングは、従来品比1.5倍の剛性と、振動を同1/2以下に減少させる高い運動精度、同1.5倍以上の高い減衰特性を実現するローラガイド(ローラを転動体に使った直線運動案内)「EXRAIL(エクスレール)」を開発した。切削・研削加工時のびびりなどを抑制し、加工面品位の向上に貢献する。11月17日~22日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2016(第28回日本国際工作機械見本市)」で初披露された。
同社では、2015年2月から3ヵ月程度を費やし、工作機械メーカー十数社に直線運動案内に対する要望についてヒアリングを実施。その結果、直動案内に対して特に①高剛性、②高運動精度、③高減衰性への要求が高い状況をあらためて把握、特にこの3点の特性改善に焦点を当てて、2年がかりで開発を進め、今回、各特性を高めたローラガイド「EXRAIL」を完成させたもの。
開発品では、上記の特性を実現させるための直動案内の転動体としてニードルローラを選定。その直径を従来品比で1/2程度に小径化してローラの数を増量、同時にローラ長を長くした。
ニードルローラの数を増量
ニードルローラのサイズ比較
ローラ一つ一つの弾性変形量を小さくすることでローラガイドとしての剛性を1.5倍に高めたほか、ローラを長くしたことで接触応力を小さく抑えた。
これによってさらに、ガイド駆動時にローラが発生させる通過振動を従来品比で1/2以下に抑制、高い運動精度を実現した。
また、ローラ数の増加によって接触面積を増やすことで振動減衰性を従来品比で1.5倍以上に高め、短時間に振動を抑制することに成功した。
開発品では小径ローラの多数配置によって動摩擦力の変動を従来品比で1/2以下に抑制、滑らかな動きを実現している。
さらに、荷重による変形が起こるまでの静的負荷容量が従来品比で1.5倍~2倍と大きいため、ローリング、ピッチング、ヨーイングの3方向の許容モーメント値が高く、安定して滑らかな動きを持続できる。
同社では今回、工業デザイナーの手による同社ロゴ「NB」が刻印された黄色のエンブレムをリターンキャップ上に配置、“新時代の要求に応える新しいローラガイド”のブランドを打ち出した。
新しいNBエンブレム
同時に、曲がりやねじれに対する強さの「高剛性」、過酷な状況にも耐えられる「耐久性」、高い正確性と素早い動きを誇る「高運動精度」といった「EXRAIL」の特長をロボットとして表現。新キャラクター「exrail-1」として誕生させ、同社のYouTubeチャンネルで公開している(「exrail-1立つ!」: https://www.youtube.com/watch?v=DOLOGHVtmkQ )。
「EXRAIL」の特長をロボットとして表現する新キャラクター「exrail-1」