日本粉末冶金工業会は1月11日、東京・湯島の東京ガーデンパレスで、「平成29年 新年賀詞交歓会」を開催した。
当日はまず菊池 勇会長(ポーライト会長)が挨拶に立ち、「粉末冶金の需要の9割を占める自動車では、衝突予防安全技術や省エネなどの先進技術開発がさらに進化し需要の底上げを担っていくと考えられる。粉末冶金業界がグローバル競争の中で発展していくために、①高品質、高機能製品を効率よく造っていくための企業同士の横の連携、②粉末冶金ならではのデザインを提案できる人材やIoTとものづくりやサービスの連携を推進できる人材などの育成、③決して手抜きをしない品質・信頼感の維持の三つを基本として取り組んでいく」と語った。
菊池会長
続いて来賓の挨拶に立った経済産業省 製造産業局 素形材産業室長の蘆田和也氏は、「素形材産業の各企業が、その世界トップクラスの技術力や生産管理力を活かし、今後の激しい変化や不透明感の中でも「稼ぐ力」を発揮し続けられるよう支援していきたい」と述べた。
さらに、粉体粉末冶金協会 副会長の吉村一良氏(京都大学)は「ルーツを共にする工業会と協会は粉末冶金製品を支える両輪として活動してきた。工業会は製品の品質や生産性向上、さらにはアジア粉末冶金業界のリーダーとして海外機関との連携を図り、協会は常に企業の技術者と協調して産業界の発展に努めてきた。4月に台湾で開催されるアジア粉末冶金協会の国際会議「APMA2017」も共に盛り上げていきたい」と挨拶した。
当日はまた、「平成28年度工業会賞」の表彰式が行われ、粉末冶金業界の基盤強化に対する貢献を讃えて日本粉末冶金工業会元会長の森谷 守氏が<業界功労賞>として表彰されたほか、<委員会功績賞>や<優良従業員表彰>の表彰があった。さらに新製品賞として、以下のとおり表彰された。
業界功労賞として表彰される森谷氏(写真右)
<新製品賞・デザイン部門>
・ポーライト「内径にディンプルを付与した高効率モータ用焼結含油軸受」、NTNアドバンストマテリアル「複層焼結含油軸受の開発」、NTNアドバンストマテリアルズ「昇圧装置用ハイブリット磁性材リアクトルコアの開発」
<新製品賞・材質部門>
・ファインシンター、トヨタ自動車「耐凝着摩耗性を向上したマトリックス強化型バルブシート材料」
<新製品賞・製法開発部門>
・住友電気工業「穴と溝の同時成形体加工と2次元コード付与を実現したVVT部品生産ライン」
<奨励賞>
・住友電気工業「非連続面にレーザ焼入れを行った多段複雑形状サイドプレートの開発」
また、JPMAでは今回、環境活動の推進が今後重要な位置づけとなっていくことから、以下の2部門を賞として創設し授与した。
<CO2排出量削減部門>
・日立化成・松戸事業所 松戸サイト
<廃棄物総排出量削減部門>
・ポーライト・熊谷工場