イグス( https://www.igus.co.jp/ )は、静音・無潤滑可動を実現する高性能ポリマー製スライド部を採用したリニアガイド「ドライリンWシリーズ」について、過酷な環境下でもスライド部の交換を容易にする、ハウジングベアリングを新たに開発した。ベアリングのロックを解除し、スライド部を押し出して、新しい物と交換。キャリッジをレールから取り外すことなく付け替えができることで、保全担当者は時間とコストの削減ができる。
ドライリンWは、リニアガイドレールとリニアキャリッジの組合せ式で設計の自由度が高く、リニアガイドレールに装備された無潤滑樹脂製スライド部によって、粉塵環境に強く、油やグリースが要らないため衛生的で、クリーンルームや医療機器での使用にも適している。
従来、リニアガイドレールに装備された無潤滑樹脂製スライド部が交換する時期を迎えた場合、リニアキャリッジ全体をレールから取外して交換する必要があり、⻭付ベルト付きのアクチュエータや多軸リニアロボットでは⼤がかりな解体作業や機械休止につながる。
そこでイグスは、ドライリンWリニアガイド用に高耐久の交換用ハウジングベアリングを開発することで、直接リニアレール上で交換作業ができるようにした。F1レースのピットストップのように、非常にスピーディーで手軽に交換できるため、設備のダウンタイムを最⼩限に留めることができる。交換作業用治具も付属されている。
交換の手順は以下のとおりで、リニアキャリッジのサイドカバーは通常のドライバーで簡単に外すことができる。付属の治具を使ってスライド部をキャリッジから押し出し、その後、イグリデュールJ200 製の新しいスライド部をレールにはめ込み、治具で元通りキャリッジ内にセットする。最後に、サイドカバーを取り付ければ交換作業は完了。
レールを損傷することなく、直接装置上で交換できるのが基本的なメリットで、この新型ハウジングベアリングは、現時点で既存のドライリンW のリニアガイド、リニアアクチュエータ、リニアロボット等でサイズ10 のものであれば、どれでも対応。その他のサイズについては開発中となっている。