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SEMICON Japan 2024

 

ジェイテクト、徳島大学と包括連携協定を締結、新産業創出と振興を目指す

 ジェイテクトは新領域技術創出に向けた研究開発で、徳島大学と包括連携協定を締結した。軸受、ステアリング、駆動系部品・工作機械・メカトロニクスという既存事業での共同研究にとどまらず、新領域分野での研究開発・事業化を加速するため横断的産学共同研究事業「JTRP(JTEKT & Tokushima univ. Research Project)」を立ち上げる。今後はJTRPの活動として、農工(生物資源)・理工・ライフサイエンスに関する共同研究のテーマ探索を加速させるほか、畜産・海洋・植物といった新領域フィールドの活用も推進していく。

協定書に調印した宮崎博之ジェイテクト専務・軸受事業本部長(左)と野地澄晴 徳島大学長(右)協定書に調印した宮崎博之ジェイテクト専務・軸受事業本部長(左)と野地澄晴 徳島大学長(右)

 徳島大学では2016年に生物資源産業学部を、2018年に産業院を新設し、新産業の創出のための人材育成を進めている。一方、ジェイテクトは既存の事業に捉われない新領域分野の開拓を目指すFFR(Future & Frontier Research)部を立ち上げ、新領域分野の研究開発と事業化を目指している。

 2018年からは徳島大学理工学部・生物資源産業学部・産業院とジェイテクト研究開発本部との間で、AI(人工知能)関連や畜産関連などの共同研究を推進、すでに同社徳島工場では軸受生産工程でのAIの活用などが始まっている。今回両者の取組みを一層強化し、多くの成果実現と新たな研究テーマの創出を目指して、包括連携協定を締結したもの。

 連携内容の内容は以下のとおり。

・新領域分野での「横断的産学共同研究事業JTRP(JTEKT & Tokushima univ. Research Project)」の創設

・徳島県内の様々な施設などを活用した農工・理工・ライフサイエンスに関する共同研究の推進

・社会(地域)へ貢献する新産業の創出と研究成果の還元

・イノベーションにチャレンジする人材の育成と交流

 宮崎博之ジェイテクト専務・軸受事業本部長は、「当社の前身である光洋精工の創業者・池田善一郎が四国出身ということもあり1963年に徳島県に工場が設立、また、グループ企業、光洋シーリングテクノの本社・工場が徳島県に設立され、さらに近年では「阿波おどりロボットすだちくん」の共同開発を行うなど、ジェイテクトと徳島県・徳島大学とは早くから協力関係にあるが、今回この協力関係を発展、当社と徳島大学で包括連携の協定を結ぶこととなった。研究分野での交流や人材交流・育成を推進し、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向け、軸受など既存事業に留まらない、新産業創出と振興を目指していく」と語った。

 また、林田一徳ジェイテクト執行役員 研究開発本部長が、モノづくりを通じて、SDGs貢献(生物資源、食料、環境への貢献)を目指す新領域技術の創出のビジョンについて説明。「新領域技術の創出には、当社の既存4事業の技術と研究開発本部の研究・技術に加えて、AIやIoT、ロボット、データアナリティクス、バイオ、ゲノムといった先端技術が必要となるが、自前で調達するのでは時間がかかりすぎる。そうした徳島大学の先端技術と当社の保有技術との積極的な連携によって、新領域技術創出の取組みを迅速に推進していきたい」と述べた。今後の展開として、両者が①JTRPの創設・運用からSDGsへの対応など新領域分野のテーマ創出・共同研究の推進、②学生のプロジェクト参画や起業化の促進など人材教育・交流、③共同研究の成果から新産業の創出や社会(地域)への貢献といった取組みを段階的に推進し、成果につなげていく計画を示した。

 野地澄晴 徳島大学長は、「ジェイテクトとは光洋精工時代から、同社および子会社の光洋シーリングテクノへの多くの学生の受け入れや、技術交流など、長期にわたり協力関係にある。今回さらに協力関係を発展させ、地域社会に新産業を創出することを目標に平成30年に当大学に設置された産業院とジェイテクト研究開発本部との間で、新規分野の研究開発に特化した包括連携協定を締結することとなった。徳島県は人口が減少傾向にあり企業を誘致するにも新産業の創出は不可欠。協定締結を機に、ジェイテクトともに新産業を創出すべく取組みを進めていきたい」と語った。

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