ジェイテクトは、これまでの長寿命化技術に新開発の高密封オイルシールを加え、耐用年数が従来比最大4倍となる鉄鋼圧延機用ドライブシャフトを開発した。商品・技術を販売するだけでなく、定期メンテナンスサービスを充実させることにより、保守・補修にかかる費用の従来比最大50%削減を実現する。グループ会社の光洋機械工業で製造。国内外の鉄鋼メーカーに販売を展開し、5億円/年の売上を目指す。
ドライブシャフトは、機械の動力をワークロールに伝える回転軸で、圧延機においては、振動や衝撃に加え高温かつ水やスケールの飛散などを伴う過酷な環境下で24時間連続稼働されるため、強靭さが求められている。圧延機においてドライブシャフトの故障は、機械の稼働率に直接影響を与えることから、日々の保全活動は生産性向上とコスト削減の鍵となる。
そこで同社は、長寿命化技術と補修メンテナンスサービスとを組み合わせて提供することにより、ユーザーの生産性向上と安定操業に貢献していく。
鉄鋼圧延機用ドライブシャフトの長寿命化技術と補修メンテナンスサービスは、以下のとおり。
1.プレミアム仕様(長寿命化技術)によりメンテナンスサイクルが従来の最大2倍となる約2年に延長
2.点検結果に基づく適切な補修によりライフサイクルが従来品の最大4倍となる約6年に延長(主な補修事例と技術提案を以下に記す)
・構成部品単位に分解洗浄後、外観点検、寸法測定、非破壊検査し、豊富な知見や経験に基づき補修内容を提案。 特に軸受部品でもあるクロスベアリングには軸受メーカーとしてのノウハウから最適な補修諸元を設定
・履歴管理データベースによる定期点検補修サイクルの提案→突発費用の抑制(補修費用の安定化)
・ドライブシャフトの使用状態の共有化による技術提案
3.定期メンテナンス化により、突発損傷を抑制することでメンテナンス費用が従来比最大50%削減
同社の熱間圧延機用ドライブシャフトは日本・韓国の約80%のシェアを獲得しており、そのノウハウからユーザーの生産性向上と安定操業、CO2削減に貢献していく。