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SEMICON Japan 2024

 

THK、高速複列アンギュラリングを新開発

 THKは、同社で最も高速性に優れた旋回軸受 高速複列アンギュラリング「BWH形」を新開発し、11月2日より受注を開始した。

THK 高速旋回軸受 bmt ベアリング&モーション・テック
BWH形の構造図


 高速複列アンギュラリングBWH形は、内外輪の間に保持器で複列にボールが配列された旋回軸受で、同社のクロスローラーリングとともに回転シリーズの一角を担う。主な特長として、あらゆる方向の荷重を受けられ、クロスローラーリングと同等の高剛性と高い回転精度を有するほか、転動体をローラーからボールに変更した新構造の採用により同社で最も高速性に優れた旋回軸受となっている。

 クロスローラーリングは、THKの旋回軸受として長年にわたりマシニングセンタの回転テーブルをはじめ、産業用ロボットの関節部、減速機などの用途に幅広く採用されてきたが、近年はユーザーの要求性能が年々高まりを見せ、特にその中でも高剛性と高速性を兼ね備えた旋回軸受の製品化を望む声が多く寄せられていた。

 同社ではこれに対応した新製品開発を進めていたが、今回、転動体をローラーからボールへと置き換えることで、高速性ニーズと発熱による昇温抑制に対応した高速複列アンギュラリングBWH形を新たに開発したもの。ボールへの置き換えにより、連続した高速回転でも発熱による温度上昇が大幅に抑制され、今までカバーしきれなかった高速回転領域の市場ニーズへの対応が可能となっている。特に工作機械市場の中でも生産ラインの工程集約につながるマシニングセンタや複合加工機で、旋削機能の搭載をはじめ回転テーブルの高速稼動など、マシン性能の高機能化と生産性向上を図ることができる。

 製品ラインナップは内径φ100、φ120、φ200を展開、今後は大径サイズの形番も順次加えていく予定。

 開発品の特徴は以下のとおり。

・高速性に優れた旋回軸受:複列に配置したボールを保持器で整列させる構造のため、ボールは安定したスムーズな動きができ、ローラーに比べて転動面から生じる発熱による温度上昇を抑制しながら高速回転が可能

・予圧調整が不要:内外輪がともに一体構造で適正な予圧が付与されているので、組付け時に予圧調整が不要

・組付けが容易:内外輪の取付穴で製品を直接組み付けられるので、押さえ部品が不要で組付けが容易