空スペース( http://www.coo-space.com/ )は、保持器無しで玉同士を非接触にする技術であるADB(Autonomous Decentralized Bearing:自律分散式転がり軸受)について、ベアリングメーカーと共同開発した玉数2倍のアンギュラ玉軸受のサンプル販売を開始する。
ベアリングメーカーと共同開発したADBアンギュラ玉軸受
同社はこれまで、既存ベアリングの損傷対策としてADBを試したいユーザーに短納期で提供するために、外径11mm~280mmの市販ベアリングをADBに改造、販売してきた。その一方で、より小径品のニーズに対応すべく、ベアリングメーカーとの共同開発を実施、このほど有償サンプルとして販売を開始するもの。
本品はまた、潤滑剤を嫌うニーズにも対応すべく、無潤滑で提供する。
同社では販売に先立ち、「いじわる加速試験(高荷重)」を実施している。これは、ナノダイヤコートを施した本品1個にスラスト荷重42Nを付与する重りを吊るし、120rpmで破損するまで回転させるもの。本試験は、ユーザーで起動/停止動作が繰り返される用途を想定したもので、ADBの玉の分散を不安定とするため、低速で実施した。
この試験の結果、従来軸受(樹脂保持器付きと金属保持器付き)は100時間以内で摩擦が急増して保持器が破損し、内外輪が分離したのに対し、本品では摩擦上昇のタイミングでナノダイヤやグリースを補給した結果、内外輪が分離することなく440時間運転し終了した(その後、分解し内外輪のはくりを確認)。ベアリングの最も基本的な機能“軸の支持”についてADBは、保持器付き従来品の4倍以上の耐久性があることを確認した。
開発したADBは呼び番号ADB-R418Zで、使用は外径/内径/幅:6.35/3.175/2.38 mm、材質:内外輪SUS440C、玉Si3N4、玉数:14(従来軸受の2倍)、潤滑:無潤滑(ナノダイヤコートの対応も可能)。サンプル価格(9個以下)は、@¥12,000。
今回開発したADBは。19~20日に東京都立川市のパレスホテル立川で開催の「新技術創出交流会」に展示される(展示予定品 https://youtu.be/u21mhUf8Qlk )。