山陽特殊製鋼( http://www.sanyo-steel.co.jp )は、軸受の長寿命化・小型化を可能とする新グレードの軸受鋼「PremiumJ2」(プレミアムジェイツー)を開発、量産化技術を確立した。
同品は、新しい製鋼技術と検査技術を開発・組み合わせることで、長寿命を実現させた。自動車などの重要部品に使われる軸受をターゲットとしており、昨今ますます高まりつつある、軸受のさらなる長寿命化・小型化に対するニーズに応える。
軸受破損の原因となる「転がり疲れ」発生のメカニズムには、鋼中の非金属介在物(鋼に含まれる異物)が深く関係しており、この非金属介在物の大きさと数を低減することで、軸受の長寿命化が期待できる。同社は、鋼中の有害な非金属介在物を極限まで低減する新しい製鋼技術を開発するとともに、それらの存在頻度が少ないことを大体積で評価する検査技術を開発した。
鋼の清浄度に対する信頼性が大幅に改善されたことで、最終製品である軸受の短期破損が抑えられ、長寿命化が期待できるという。なお軸受の転がり疲れ寿命試験において、一般的な軸受鋼(SUJ2鋼)に比べ、軸受の寿命下限値が約3倍に改善したとの結果が出ているという(同社実験結果)。