NTNは、和歌山県橋本市にラジアル軸受の生産を行う新拠点「(仮称)和歌山製作所」を新設する。本年7月から順次着工し、2019年6月から量産を開始する予定。
和歌山製作所完成予想図
和歌山製作所では、自動車の電動化や産業機械の需要回復を背景に、急速に需要の高まりをみせる低摩擦、長寿命など高付加価値のラジアル軸受製品を生産する。NTNは、和歌山製作所に生産性や稼働率の向上を目的とした新設備・システムを導入し、スマートファクトリー化を進めるとともに、国内外の拠点にも展開し事業強化を図っていく。
自動車市場では近年、油圧制御の電動化やEV(電気自動車)シフトが急速に進展し、モータや駆動伝達部に使用されるラジアル軸受でも、低摩擦や低振動、長寿命など、高付加価値商品の市場ニーズが増えてきている。
また、産業機械市場においても、建設機械やロボット、工作機械向けなど多くの業種での需要の回復を受け、NTNの「ULTAGE(アルテージ)シリーズ」をはじめとする高付加価値商品の需要が増加している。
同社では、今回の新工場設立によって、これまで日本各地に分散していたラジアル軸受の生産を再編成するとともに、高付加価値商品の生産を和歌山製作所に集約する。
また、和歌山製作所ではスマートファクトリー化を推進し、資材投入から加工・出荷までの一連の工程をIoT・AIシステムで最適化・自動化する、高い生産性を有する新たな設備を導入する。新設備・システムの導入により、長寿命化や装置コンパクト化などの市場ニーズに適合した新商品への対応や試作納期の半減、さらには生産リードタイムを従来比で1/3に短縮し、高品質な商品を世界へスピーディーに供給していく狙いだ。