真空企業( http://www.eolus.jp/ )はこのほど、従来のモータよりも高効率、高回転で、大幅な小型・軽量化を実現できるハルバッハ配列界磁を持つノンリラクタンス(NR)モータを開発した。高回転を目的に今回、軸受には空スペース( http://www.coo-space.com/ )製の保持器なしでボールを分散させ、すべり摩擦を解消する自律分散式転がり軸受「ADB」を採用した。
永久磁石モータの市場要求としては小型、軽量、高トルクがあるが、モータに使用される鉄心(コア)は比重が大きく磁気飽和が発生、軽量化や高トルク化に限界があった。これに対し今回は、磁石片側に磁界が集中する「ハルバッハ配列」を界磁に用いることでトルク/体積比を低下させずにコアレス化、軽量で高効率・低トルクリップルのモータを実現した。さらに回転の抵抗を減らす目的で、軸受には保持器を排除しながらボールを自律分散させて、すべり摩擦を解消する「ADB」を採用。小型高速遠心ファンへの使用例では、モータ回転数10000rpm、ファン回転数126000rpm(増速ギヤ使用)、風量7m3/min、静圧―50kPa、モータ出力10kW、モータ重量約24㎏、総重量約32㎏(専用ドライバ込み)を実現できるとしている。
同社ではこのほか、研削盤や医療機器、スピンドルモータなど幅広い用途で、新開発のモータを展開していく考えだ。
ハルバッハNRモータ
採用した自律分散式転がり軸受「ADB」