日本工作機器工業会は5月21日、東京都港区の芝パークホテルで通常総会を開催した。総会後の懇親会で挨拶に立った寺町彰博会長(THK社長)は、2018年度の工作機器販売額が前年比13%増の2280億円になったほか、2018年度の工作機器販売額が同9%増の2279億円となる見込みで、いずれも過去最高の業績であることを報告した。
挨拶する寺町会長
さらに、「工作機械業界など我々のユーザー企業において対前年度割れの受注が続き、また米中貿易摩擦が予想以上に深刻化し、さらに英国のEU離脱が混迷するなど、今年一年はタフな状況の中で事業を進めなくてはならないことが見込まれる。しかし決して縮こまることなく、逆にここを好機ととらえて、高品質で壊れにくい機械・部品・ツールを作るという日本の強みを保持しながら、イノベーションに徹底的に取り組んでいかなくてはならない。こうした中では、安全、安心、高品質という日本の伝統芸も、ある部分は捨てる必要があるかもしれない。既存技術の延長線ではなく、IoT、AIなど先端の技術を活用しつつ新たなチャレンジや新たなイノベーションに取り組んでいく中で、世の中の役に立つ、またユーザーの役に立つ技術・製品を徹底的に開発していこう」と会員企業を鼓舞した。