エボニック ジャパンはこのほど、川崎市高津区の「川崎テクノロジーセンター」(旧:川崎研究所)の設備を増強し、石油添加剤など特殊添加剤を扱うスペシャルティアディティブス部門の研究所を統合した。
川崎テクノロジーセンターは、塗料向け添加剤、ポリウレタンフォーム向け添加剤、石油添加剤、架橋剤を扱う四つのビジネスラインの研究所で構成される。筑波テクノロジーセンターにあった石油添加剤の研究所が新たに加わった。この統合により、規模は約2倍となり、研究設備の拡張も行った。
四つのビジネスラインは以下のとおり。
・コーティングアディティブス部:塗料、コーティング、印刷インク業界における高機能ソリューションを提供。塗料・インキ用抑泡剤・脱泡剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤など
・コンフォート&インシュレーション部:ポリウレタン業界向け添加剤のリーディングサプライヤーとして革新的なソリューションを提供。テゴスターブ(シリコーン製泡剤)、ダブコおよびポリキャットシリーズ(アミン触媒)など
・クロスリンカー部:エポキシ硬化剤やイソホロン化学のリーディングサプライヤーとしてコーティング剤や接着剤に加えて高性能エラストマーや複合材料においても広範囲な製品を提供。アミン系硬化剤、イソホロン、ジアミン、ジイソシアネート、粉体塗料用硬化剤など
・オイルアディティブス部:自動車、工業用潤滑油、作動油、燃料、および石油精製プロセスでの使用を目的とする石油添加剤を提供。省燃費・生産性の向上、および炭素排出量の削減をサポート
アジアは世界における化学業界の売上の約60%を占め、今後も成長が見込まれる。エボニックではアジア市場の拡大に引き続き注力しており、イノベーションはそれを実現するための要と位置付けている。
川崎テクノロジーセンターは、アジアにおける研究開発ネットワークの拠点として、上海(中国)、シンガポール、ムンバイ(インド)とともに機能。日本における四つのビジネスラインの技術力が集結し、グローバルネットワークの一部として機能することで、より多くの交流が促進され、アイデアが活発に生まれる機会が増える。自動車産業をはじめ、様々な業界向けの技術開発を行い、顧客のニーズを迅速に把握し、最適なソリューションを提案していく。
日本におけるエボニックグループの代表であるフロリアン・キルシュナー氏は、「エボニックは、顧客のニーズを実現するための製品や卓越した技術、専門的なスタッフを擁している。自動車産業をはじめ、イノベーションが日本の強みであることは言うまでもない。川崎テクノロジーセンターが、極めて優れた技術力を持つ日本の顧客のニーズに応え、持続的なビジネスの成長に貢献できると確信している」とコメントしている。