ジェイテクトは、愛知県発明協会主催の令和4年度愛知発明表彰において、研削盤の砥石軸に使用される低動力静圧軸受の特許技術(特許登録番号:特許第6455177号)が評価され、「愛知発明賞」を受賞した。受賞者は同社 研究開発本部 加工プロセス研究部の大和宏樹氏。
愛知発明表彰は、愛知県の発明奨励・振興を図ることを目的に、発明協会の独自事業として昭和55年度から実施。技術者・研究開発者のモチベーション向上などを目的に、毎年6月に表彰式が行われ、県内の優秀な発明者が表彰される。
研削盤の砥石軸に使用される静圧軸受は、他の方式の軸受と比べて回転精度と減衰性に優れ、長寿命という特徴がある。近年、生産性向上の観点から研削盤の砥石回転速度が高速化しており、それに伴って発生する静圧軸受の動力損失を低減する技術が求められていた。
ジェイテクトでは、流体解析等で動力損失発生の主要因が、軸受内に発生する循環流れに生じる乱流であることを解明。この解析結果を踏まえ、軸受内部の回転軸につれ回る順流を、軸受底部の逆流と分離することで流れを整流化し、さらにその流れを層流にした低動力静圧軸受を新たに開発した。開発技術では、従来の静圧軸受の特徴を損なうことなく高速回転時の動力損失を24%低減した。
本技術を研削盤に搭載することで、省エネに加えて熱変位量を抑制し、冷却装置の小型化による機械フロアスペース削減に貢献する。また、本技術を搭載した研削盤は、日本機械工業連合会主催の優秀省エネ機器・システム表彰において、経済産業大臣賞を受賞している。